世界一周16-3 二千年紀初!バイクで行く世界最高所のスキー場標高5300m

南米・中米・北米編
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ついに来ました2017!

めでたい正月ということで、21世紀、いや二千年紀初の日に、世界最高所のスキー場に行った話をします。

 

Sayonara2016 Welcome2017!

あけましておめでとうございます。

今年は、昨年2016年同様日本の家で静かな年明けを迎えました。

昨年に比べると寒いですね

テレビのニュースを見てたら、

渋谷の後にシドニーのカウントダウンが写っており

渋谷はきのうの大みそかにネタにしたし、

シドニーは2003~2004年に行ったことがあったから、なつかしいのであります

 

それでは「2001年天空の旅」の世界へどうぞ!

 

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21世紀世界初!?バイクで行く標高5300m

年が明けた、2001年1月1日。
21世紀、いや二千年紀最初の日(くどい!)を世界最高所の首都で迎えたのはそれだけでもすばらしいが、それにあきたらず、ラパスから36kmのチャカルタヤ・スキー場に行く。
標高5300m。世界最高所のスキー場である。

実はラパスに着いた翌日のクリスマスの日にもチャカルタヤに行った。しかし着いた時は18時30分で暗くなっていた。気温-1℃。雪が降っていた。まあこれぞホワイトクリスマスなんだけど、何もないのでこわいだけだった。

そのリベンジを晴らすべく、再びチャカルタヤに行く。元旦朝10時に起床。
「あけましておめでとう」と酸素が薄い中、独りでつぶやき、地味に新年を祝う。
おせちの代わりにバナナや昨日の残りのケーキを食べる。21世紀初の食事は地味であった。

11時に宿出発。空はいつものように曇っている。

イヤホンでFMを聞きながら走り、すり鉢状の道路をのぼる。

そのとき標高4000mでFMから流れたディスコミュージック・ABBAの[Voulez vous]は天涯忘れられない。

エルアルトからはみぞれ交じりの最強に冷たい雨が強く降り、靴の中や下着の奥までびしょ濡れになる。みじめなほど冷たいが、「絶対に頂上を目指すゾ!」と、巨人の星のようにど根性と忍耐で進む。

エルアルトの町を出ると荒涼とした風景が続く。谷を覗くとラパス市街。そして先には厚い雲に覆われたチャカルタヤの山が見える。

山道を走り続け、標高4760m付近で雨が止んだが、4950m頃から雪が降り出し、5100mで新雪が道を覆う。

ラパス市内では50km/hで走れたが、ここまでくると10km/hしか出なくなる。
それでも12時48分、無事にスキー場に着いた。

 

標高5300m、世界最高所のスキー場、チャカルタヤ山。

やったさ!ついにやったぜ!これで「二千年紀初めてバイクで世界最高所のスキー場に来た人」、ということになる。

まあ、ツーリングの巨匠・賀曽利隆氏の「世界初!バイクでインドシナ一周!」や、「日本人初!サハラ縦断」に比べればまだまだ至らぬけど、「STK 1」にふさわしい一番づくしだった。

せっかくだからスキーをやってみたかったが、やはり閉まっていた。記念に降りしきる雪の中雪だるまを作った後、チャカルタヤ山に登ることにした。

そのうち、スキー場が閉まっているにもかかわらず、車で外人旅行者や現地の人がやってくるようになる。考えていることは私と一緒だが、バイクで来る変態はやっぱり私だけだった。

天空の地へ

そして、チャカルタヤ山に登ることに。
天気も晴れてきて日差しが出て、6℃位まで気温が上がった。真冬の赤城山で耐寒走行訓練をした時は昼間でも-5℃だったから、それに比べれば暖かすぎるくらいである。

いろんな人が山へ登り始めているが、たいていが途中でダウンしている。いざ登ろうとしても、平地の半分しか酸素がないので、もう息が「ハーハーゼーゼー」と苦しくてしょうがない。3歩登るたびに息を整えなくてはならないのでちっとも進めない。
植村直己氏などの登山家の苦労がここで10%ほどわかった。

やっとの思いで頂上に着いた。先にはブラジル人の青年がいた。標高5390m。気圧は534hpa。

“Chacaltaya The highest ski-site in the world. 2001 New Year’s Day  Bolivia

左はG-SHOCKによる気温と高度。昼は意外に寒くなかった

右は気圧Pressure 559hPa(mb) -0.7℃ 空気の濃さは富士山頂と同じボリビアの首都ラパスで2/3、

チャカルタヤなら半分になる

二人で頂上から見下ろす下界は、天空の世界。

ジェベルですらアリのように見え、限りなく広がる風景。もう何も言うことはない。

下界に向かって一発叫んだ。

「ついにここまで来たんだー!・・・ハァーハァー息がつらい」

山を降りるが、登りよりは息も楽だった。何よりこれだけ高い標高ながらも高山病の症状がなかったのが幸運だったと思う。

そしてバイクでラパスに戻る。だけどまた雨が降ってきて。途中のエルアルトでは大きな水溜りと泥水で街中がひたひただ。ずぶぬれながらもあったかいラパスに戻った。

ラパスでの年末年始の20日間は、発見と挑戦でもあり、長旅の休息でもあった。
そして頭のネジがぶっこわれるほど毎日遊んだのだった。


以上、ボリビアの天空の世界でした。

それでは本年もよろしくおねがいいたします!

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