世界一周24-2 ロサンゼルス まったり時々スリルの一ヶ月

南米・中米・北米編
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ニューヨークから、ロスへ。

ニューヨークからシカゴ経由のロサンゼルス便。アメリカを横断し三大都市を結ぶ飛行機からの下界の眺めは一番最高だった。

途中、シカゴの空港に着いたものの、どっかはずれの空港らしく、残念ながらシカゴの摩天楼などは見えなかった。

まずは大平原の大牧草地帯になるが、基盤状に道が走っていて、その枠の中に畑が丸く刈り込まれているのでまるで巨大なオセロゲームのように見える。

緑の平原からやがて起伏に富んだロッキー山脈に入り、山頂は白い雪も見える。そして今度は黄色い砂漠地帯に変わり、スモッグで霞んだ青い海が見えるとついにロサンゼルス到着。まるで広大なアメリカを手玉にとって見てる気分だった。

肌寒かったNYと違い、LAはカラッとした初夏のラテンの日差しだった。

LAの中心にあるリトルトーキョー(小東京)のチェトウッドホテルで一ヶ月間過ごした。一月300ドルと言う安さ。宿泊客の大半は日本人で長期滞在者も多い。

マネージャーのはまさんは面白い人で、若い頃はシャンソンとかを学んでいた。
はまさんは日本人の顔をした陽気なラテンおじさんなので、泊まっている女の子を口説いたり(?)、写真に写る時はタイガーマスクをかぶったりと、まるで桑田佳祐のような目立ちたがり屋だった。

内装工事なんかもはまさん自ら行い、そしてヒマな宿泊客が手伝っていたりした。ホテルというよりもまさに共同生活みたいなものだ。

はまさんの他にも、濃いキャラが多い。見かけは20歳ぐらいなんだけど実年齢がなんと30歳という、若く見える女の子のみきちゃんや、ブレイクダンサーのヨシトなどと出会う。

そういえばLAでFMを聴いていたら、この曲 All For Youがよく流れていたので、毎日晴れ続きのロサンゼルスにじつにぴったりだと思ったものだ

そして、ブラジル・サンパウロで出会って以来の世界一周ライダー・ゴンチャンとLAでの再会。
彼は私の後を追うようにして北上してきた。彼はガテマラでどいうらさんとも出会ったという。

ひさしぶりの奇跡の再会なので、彼とは酔った勢いでバカみたいに延々と声がかすれるほどしゃべりまくったり、一緒にチャイナタウンやハリウッドにも行ったりした。

二人してすっかりハリウッドで観光客気分で歩いていると、土産屋では店員の白人の青年がたどたどしい日本語で話すのだが

「オレはニホンにオンナがいる」だの、じつにしょうもない日本語で、、調子に乗ると挙句の果てに「オパーイオパーイ」なんてのたまうので、タージマハルの土産屋のインド人とまったく同じおつむのレベル。

そんな彼の「話」を聞いているうちに、思わずあの支離滅裂なインドが懐かしく思い出してしまう。

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メキシコと日本とロサンゼルス

チェトウッドホテルから、西へ歩くと中心部のダウンタウンで、南北を走る大通り(Broadway)は、もうメキシコそのものだった。(元々カリフォルニアはメキシコ領だった)
マクドナルドに入っても、店員はメキシコ人なので我ながら思わず英語ではなく似非スペイン語で注文しようとしたほどだった。歩く人も大半がメキシコ人。メキシコ風の間取りの店舗。タコスなどの食堂。

テレビやラジオだってメキシコの番組専門のスペイン語テレビ局があるので、彼らは英語が全く話せなくてもカリフォルニアで充分暮らしていけるのだ

そしてリトル東京にもどり、日本的のショッピングセンター(元ヤオハン)は、今度は日本のそれと変わらない。本屋にしても、店内も明るくきれいに陳列されており、さっきのメキシコ系のラテン的な本屋(壁に雑誌を所狭しと貼り付けて陳列していたりするし、通りのキオスクで売っていたりする)とは全く異なっておりその差が実に面白い。

LITTLE TOKYOのバス。我が世界一周の旅も、あとわずか。

REALなTOKYOに戻る日も近い・・・

LAを象徴している店として、ブロードウェイから一歩はずれると無国籍風フードを出す屋台があるのだが、メニューを見るとなんと中国語、スペイン語、英語と三ヶ国語で書かれていた。
アメリカとラテン、そして東洋がこれだけフュージョンしているのも珍しいのではないか。

人種のモザイク的なNYと違い、カリフォルニアではメキシコ系と中華系は移民社会として強固な人種の軸が存在するからだろう。

ロサンゼルスはやっぱり映画の都

そしてロサンゼルスは映画の都だ。一年を通じて気候がよく、晴天日数が多いので映画産業が発達している、と高校の地理の教科書で読んだ事がある。

自分の住んでたところから歩いて数分のダウンタウンで全世界に配信されるハリウッド映画のロケが頻繁に行われている。これってある意味すごい事だ。

その時はちっこい白ねずみが主人公の映画、スチュアート・リトル2のロケが行われていた。とはいえおもにCGを使うのでロケ現場は派手ではなく、スタッフが現場の一角で身をかがめてじつにちまちまとミニカーを動かすシーンのみを撮っていたりした。

そして、別の通りでは銃撃戦でめちゃくちゃボロボロになったパトカーがレッカートラックに載せられ走っていたのを見かけたこともある。
本当に銃撃を食らったのか?映画のセットなのか?いくら治安が悪いとは言え、本物だったらコワイ。

治安極悪なストリートの人々

そんなただでさえ悪いロサンゼルスの治安なのだが、とくにチェトウッドホテル周辺の治安は悪く、テロ直前で未曾有の好景気だったのにもかかわらず、ホームレスはたくさんいるは、そしてジャンキーはウジャウジャいるはで、ダウンタウンまで歩くときは正直、こわかった。

ダウンタウンの大通り、ブロードウェイを歩いても、若い白人の男がマウンテンバイクに乗っているのだが、ジャンキーゆえにふらふらぶつかりそうになりながら蛇行運転を繰りかえしていた。

そして恐ろしかったのが、歩いていたらいきなり男が「ウオー!!」と叫びながらこっちへ近づいたてきたのだ!襲われる!!

人ごみの中なので私も周りの人たちも避けた。

・・・そして、男は壁にぶつかり、壁を叩きながら意味不明なことを叫んでいた。

自我を忘れた人間の末路。恐怖としか言いようがなかった。

 

ロサンゼルスには日本の店もあるのだが、やはり狂った都市ロサンゼルスなので、店自体も狂っている店も少なくない。

このドンキ〇シは、マ〇モト〇ヨシではありません。しかも売ってるものといえば、とても日本では表に出せないようなエクスタシーなんちゃらと裏本と超ウラビ。

なんちゅう店や。ブラビじゃなくウラビですよウラビ!!日本じゃ考えられない店名&ロクでもない品揃え。

 

だけど、悪い事ばかりではなかった。ロサンゼルスのホームレスの人々の生活も俄かに見ることができたからだ。

夕方になるとホームレスたちは野宿の支度を開始する。西成のように炊き出しも行われる。自分もこないだまで野宿していたのだから彼らの気持ちも少しはわかる。

傍らには各家庭から集められた彼らの為の不要衣類がうずたかくつまれている。ある日その通りを歩いていたら、自転車に跨った黒人のホームレスが「これどお?」と言って、きれいな箱に入った新しいクッキーを差し出してくれた。

今までの旅の経験から、きっと睡眠薬が入ってんじゃないのか?と一瞬即座に警戒したが、彼の表情から明らかに腹黒い下心がないのがわかるので、遠慮なくありがたく戴いた。

その黒人ホームレスの温かい気持ちを買って、お礼にクオーター(25セント硬貨)を3枚ほどあげた。

そして、印象に残ったのが白人中年女性のホームレス。夕方になるとスラムから離れたリトルトーキョー近くのバス停で毎晩一人で佇んでいた。

服装はなぜか厚着で、ずっと着込んでいるのでやや薄汚れた感じはするが、見た限り、佇んでる振る舞いも品性も、普通の女性と変わらない気がしたし、そして顔ももとは美人なのでなぜ彼女がホームレスなのか信じられないほどだった。

ホームレスの仲間入りはしたくない。だけど男の許から逃げ出したのか、または別の原因か何かで、自分を失ってしまい普通の生活には戻れなくなったのだろうか。理由はわからないがそんな複雑な表情が読み取れた。

そんな夏至に近い長い夕暮れ時の孤独な彼女を見ると一層、哀愁を感じたのであった。

 

そんなロサンゼルスの摩天楼にうかぶ、二宮金次郎像

歩きながらの勉強スマホは事故のもとですよ。

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