標高差4667m!南米アンデスの真夏から真冬のクリスマス・イヴはどんなもの?

南米・中米・北米編
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南米のアンデスとカソリックの国・ボリビアではどんなクリスマスイブだったのか?を紹介します

’Tis the season!

まずは、この意味ですが

「’Tis」というのは、「It is」のことだそうです。

つまり、「It’s the season!」で、
「あの季節がやってきたよ!」というニュアンスです

ただ、現在ではキリスト教のほかにもいろんな多宗教があるため、

アメリカなどではメリークリスマスとはいわず、

「ホリデーシーズン」となりますが、

キリスト教の国はもちろん、この仏教徒や神道の多い日本でも、

子供たちにとっては、一年で最も素晴らしい待ち遠しいシーズンですよね。

 

そんな’Tis the season!にふさわしい曲を紹介します。

「It’s The Most Wonderful Time of The Year」

あたたかみのあるクリスマスがやってくる!と感じさせてくれる曲です

 

そして、南半球の南米では、日本とは正反対でこれからが夏なんです

当然日照時間も一番長く、一番陽気なシーズン。

南米でも世界どこでも「It’s The Most Wonderful Time of The Year」な時期です。

ちょうど16年前の2000年12月24日日曜日にチリ北部の港町アリカからアンデスと国境を越えてボリビアの首都ラパスを旅したときの旅話をお送りします。

 


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12月24日。港町アリカからボリビアの首都ラパスまで

イブの日は一気走りすることにした。
標高0mの真夏のアリカからアンデスを攻めるのだ!

朝6時50分。朝もやの中を出発。まずは砂浜に行き、海に向かってアンデス越えの無事を祈る。バイクだから峠を越えるのは難しくないが、運が悪いと高山病にかかるので。

湘南のようなアリカの太平洋を見ながら少し北へ行くとハイウェイの分岐点。標識にはペルー行きとボリビア行きに分かれている。そこから進路を東に変え、ボリビアへと走る。

アンデスに向かって進む。緩やかな山道。1000m、2000mと標高が上がる。

10時。アリカから136km。標高3500mのインディヘナの村。少年が店番をしている村の商店でポリタンに入った5Lのガソリンを給油し、ビスケットなどを買った。

そしてさらに進み、標高4000mになった。今までの人生の中でこれ以上の標高は始めての世界である。

あたりは高原となり、野生の草食高山動物たちがいる。湖を挟んだ向こう側は雪で真っ白なパリナコタ山(6340m)が近くに見える。

その山はまるでアイスクリームや肉まんのように見えてしまうのだが、そのアイスクリーム山が湖に鏡のように映し出されると、青と白のコントラストが非常に綺麗だった。

真っ白い山々も、いいようの無い美しさだった

 

正午。アリカから195km。アンデスの国境峠に着いた。標高4667m。

峠の手前にチリ側のイミグレーションがある。こないだのアルゼンチンーチリ間のイミグレーションとは違い実に質素な建物。

クリスマスイブなのでフェリスナビダーとあいさつ。晴天の昼間なので極端に寒さは感じないが、建物の影には雪が残り、水溜りは凍っている。関東地方の厳冬期並みの気温であろう。だけど真夏のアリカから5時間でホワイトクリスマスが楽しめて最高だった。

出国手続き後、峠を越えて、ボリビア入国。同じく少し下ったところにボリビア側のイミグレで入国手続き。それからは標高4000m前後のなだらかな高原地帯を走る。広々とした高原地帯が続くが。さすがにエンジンが吹けなくなり50~60km/hしか出せない。

村を通ると、村の広場兼サッカー場で、中心のやぐらを囲んで村人たちが集まっていた。クリスマスの儀式だろうか。これもアジアかどこかの村の伝統的な祭りのふしぎな雰囲気だ。

さらに走ると、道路沿いには子供たちの姿が。この日は車から投げる飴や菓子を目当てに子供らが並んでいたのである。終戦後、進駐軍にGimme Chocolateというのと同じ光景かもしれぬ。

残念ながらあいにく子供らにあげる物はないのだが、かといって待ち構えている子らに対して無視するのはつまらなすぎる。それではめでたい日なのに血も涙もない。

そこで、あめ玉を投げるフリをした。タンクバッグに手を突っ込み、そして投げるフリをしたらそれを知らない子らはくれるもんだと勘違いして飛びつこうとする。

だけど投げるふりはさすがにかわいそうなので、2回ほどでやめた。

標高4100mのエルアルトから、すり鉢状盆地の下にある首都・ラパスを見下ろす。底辺のセントロには高層ビルが林立していて実にいい眺めだ。ついにここまで来た!

20時。アリカから500km。標高3650mの首都、ラパスに到着した。

標高は高いので気温は低い。ちょうどクリスマスの時期の東京と同じぐらい。

街には人でいっぱいにあふれていた。路地をバイクで通るのも一苦労。さすがに夏祭りのイキケとは一転、コートとか着てて日本のクリスマスの季節そっくりだけど、意外な事にイブの夜だというのに街にクリスマスムードが無かった。

「キリスト教徒の国なのになんでクリスマスソングが流れてないの!!何でピカピカのイルミネーションやクリスマスツリーが無いの!本場キリスト教徒の国だから日本以上にイブの街は盛大だと思ったゆえ、本当にがっくりだあ~!」

と思ったが、それはごーまんな自分の思い違いでした。この国の人々は生きるのに精一杯で、街を華やかに飾れるほど豊かではないラパスのイブ。かたやキリスト教徒でもないし、クリスマスが休日でもないくせにラパスの何倍も派手で商業主義的かつ見栄えは立派だけど中身の信仰心がない日本のクリスマス。

今まで日本のクリスマススタイルが当たり前だと信じていた自分にとって、ラパスでのあまりのギャップの違いに強烈なCulture Shockを受けた。

安宿に入ると、「ピロリロリー」と、中国製クリスマスツリーから電子メロディーが流れていたが、唯一自分のイメージするクリスマスを感じさせてくれた。

これぞ我が人生最大の、忘れられぬクリスマスイブであった。


明日はいよいよクリスマス本番。

南半球ならではの夏祭りなクリスマス!をお送りしますので、

おたのしみに!

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