【お宝!】17才のたびいちの旅日記・後編 「真夏の価格破壊旅 1995」

この夏の青春企画!

ちょうど22年前の1995年の高校時代に書いて、雑誌モーターサイクリスト誌に掲載された「野宿ツーリング日記」です!

それでは続きの後編です!

懐かしき土地を回る

R1から、港通りのR149へと進路を変える。

途中で単車を止め、清水港を見る。すごい規模だ。外国船が出入りしている。遠くに三保が見える。

この港からの輸出額 №1の製品は、なんと2輪自動車である。近年、ずっと1位らしい。改めてすごさを感じる。

2時50分(某芸人の名前とはちゃうで)やっとのことで無事、清水市日立町に到着。どこで野営するか考えた。懐かしき土地なので、いろいろ回ってみる。

10年ぐらい前とあまり変わっていないようだ。市街地の方へ行くと、ビデオ屋やコンビニが出来ている。ただ、単車で移動したせいか、街全体が小さく感じてしまった。

途中、図書館に寄る。さすがにこの街らしく、”次郎長コーナー”というのがあった。

その後、あの有名な「ヤオハン」(ウチの近くにはないが)の最上階にある「寿がきや」でラーメンを食う。約10年の間に80円も値段が上がっていた。だが、港を見下ろしながら食うのはじつに格別だった。

清水から静岡市へ向かう。JR静岡駅近くまできたところで、細い道に入ってしまった。この先は通行禁止。それに気づき、即エンジンを止めて歩道へ移動する。なんと、ポリスマンが先で見張っていたのだ。

私の前を走っていたスクーターの男子高校生は哀れにも通行してしまい、笛で呼び止められて、”御用”。

私は安堵の息を漏らした。このときは本当に冷や汗をかいていた。

公園での初めての野宿

初めてのキャンプでいきなり野宿というのはつらいので、貸しテントのある梅ヶ島のキャンプ場で泊まろうかと思ったが、山奥にある静岡市梅ヶ島までは45km。これは遠すぎる。

静岡市は、駅前だと池袋に似た都会だが、奥まで行くと3000m級の山(赤石山脈)がある、バカデカい市なのである。

キャンプ場はあきらめ、清水港へ行こうといったんは決めた。だが高波もありそうだし、暗そうで怖い。結局、静岡市の中心にある常盤公園で寝ることにした。

噴水が、奇妙な鉄琴音と光に合わせてショーを演じている。時刻は8時をとうに過ぎている。サラリーマン、家族連れ、カップルが多数、そしてベンチで横になっている自由人の方達。夜だが、えらいにぎやかだ。

適当なベンチを見つけ、その前に単車を止めて、寝袋に入る。

暑い。もうちょっと薄い寝袋にすればよかった。大体、まだ寝る時刻ではないので、金がないけど、夜の街へ繰り出すことにした。

しばらくして、また公園に戻って寝ようとする。家の中だと、夜中でも30度を越えるぐらいの超熱帯夜(家中の熱がこもってしまうから)だが、外はだいぶ涼しい。

しかし間違った寝袋のために暑苦しく、そしてかゆくなってきた。そんな時はウナコーワ。体中に塗る。

午後11時30分ごろ、叫び声が聞こえた。外国人の家族連れが遊んでいるのだ。「ウルサイナ、ボケ」と思ったが、彼らの場合だと、”時差ボケ”なのだろう!?

公園の水道で脚や腕を洗うと、とてもさっぱりした。

それにしても、カップルがイチャついている。2時間くらい前からずっとだ。彼らは堂々と乳房をまさぐったりしている。

約2名の除きの人とともに、私も堂々と拝ましてもらってるうち、寝てしまった。

本日の走行・・・309km。

三保の松原には、この衰弱した”羽衣の松”のほかにも、砂防林としてたくさんの松が植えられていた

悲惨な海水浴場

<8月10日>

朝7時30分に目覚める。日差しがきつい。だが、初めての野宿にしてはよく眠れたと思う。

両替町のコンビニで朝食の後、「ベッド」に戻り片付ける。今日は三保の松原と、風呂代わりに海水浴場へ行くぞ。

8時30分出発。R1からR149で三保に向かう。朝の港を走るのはすばらしい。まだ早い時刻なので、先に松原に行く。

天女が羽衣を掛けたという松は衰弱し切っていて、何本かの支柱によって支えられている。海を背景に、この松は寿命を「待つ」のか、と考えた。

あと、フランス人能楽師の碑というのを見る。戦前、三保を舞台にした能をヨーロッパ各地で演じたが、彼女は結局、あこがれの三保の地を踏まぬまま、パリで息を引き取った、と書いてあった。

現在は海外旅行は容易になったが、その前に日本の各地を旅行して、日本のいろんな文化などを知ってほしい。まだ、すばらしいものは日本にたくさん残っているはずだと思う。

三保の先っちょのあたりに、真崎の海水浴場がある。客もけっこういた。

ここで泳ごうとするが、焼き付いた砂が熱い。「アチョチョ」と叫びながら海に入ると、今度は岩に付着したフジツボのせいで、その上を歩くとクソ痛い。よけようとしてバランスを失い、体中が切り傷だらけになった。

しかし、これからがもっと悲惨なのだ。

もう一回泳ごうと、今度は沖のほうへ出た。かなりの深さになり、足を底に着こうとしたその瞬間、激痛が走った。断末魔の叫びを上げながら、狂ったように岸へ泳ぐ。

足の裏には、トゲが3本も刺さっていた。しかも、一本も抜く事が出来ない。5円玉をあてがっても取れず、30分ほど格闘したが、ムダだった。結局、招かざる「土産」を持ち帰る事になった。

日立町に戻り、子供のころよく遊んだ鉄舟寺の裏山に行く。この山道を登ると日本平に着くのだが、忌まわしきトゲと疲労のため、すぐにあきらめる。

歩くと痛いけど、単車に乗っているときには支障はない。帰路を急ごう。



価格破壊の旅成功

12時30分ごろ清水を出発。昨日通ったR1を、平均80km/hで進む。箱根のあたりを回って帰ろうかとも思ったが、天気も悪くなりそうなので、往路と同じ道で帰ることにした。(このほうが近く、自然も楽しめる。)

富士宮市を走行中、「100円ラーメン」の看板を認め、すぐに引き返した。

中華料理「龍園」というR139沿いの店で、中国の音楽が流れる中、頭ツルツルのおっさん(香港映画の悪役みたいだ)が厨房で、中国語で会話している。これぞ本物だ!

ラーメンのほうは、塩味を主とした本場の味。木曜だから100円になっていたのだろう。午後1時30分ごろですいてたし、最高の昼食だった。

この後、ルパン三世のエッソで、初めてハイオクを入れた。5L入れれば、十分家に着く。

ところが、GNにハイオクを入れたら詰まったような走りになった。やっぱり実用車には高級ガソリンは似合わないのだよ!?

ノドが乾き、ジュースを買おうと思ったが、郵便局に入り、冷水器の水をたらふく飲んで、すぐに局を出る。旅の恥はかき捨てだ。

富士の樹海を走っているうち、だいぶ眠くなってきた。このままではスーパーマンみたいに空を飛ぶ。身の危険を感じ、河口湖町の「ヤオハン」の硬いベンチで寝る。よほど眠かったのか、すぐに眠れた。

30分後に目覚める。午後4時になっていた。後はどんどん先へ進みます。

しかし東京都に入ると雨が降り出し、高尾あたりで強くなった。

降ったりやんだりして、横田基地当たりでまた強くなったのでコンビニで休み、7時10分ごろ再出発。

午後9時、自宅に到着。価格破壊の旅は成功した。

本日の走行・・・288km。

後記(誓いのスピーチ)

これからは、野宿、倹約、単独で日本一周、世界を放浪したい次第であります。

データ

全走行距離 597km    燃費 43km/L 全費用 2064円

( 内訳 ガソリン代 615円、 食費 1155円 有料道路代 100円 氷穴入場料 190円 )


そして、感想(2005年当時)

・・・・・・以上、当時の高校のときに書いたレポートを一字一句、忠実に完全に書き起こしたわけであります

価格破壊・・1995年の流行語でもあります。まだ今からだとつい最近の事なのか、懐かしいのかわからない、微妙なノスタルジーでございます。

ただし、あの頃は誰ひとり携帯持ってる高校生がいなかったのですよ。

もちろんインターネットなんてほとんどナイチンゲールな時代。

(その代わり現在から見るとめちゃくちゃお粗末な「ポケベル」が流行っていた・・・・・・・ ^^;)

数十年かかった情報技術の進化が、最近では数年で済んでいるので、高校時代を振り返ると自分ではまだ高校時代のままの若さだー!と思っても、結果的にはまるで年寄りになった気分で、恐ろしいほどです。

今でこそあきらは、「小型バイク世界一周の男」ということですが、まあ、昔はこんな事もやっていたんですのう~。

そして!2017年8月現在の感想

価格破壊・・当時ダイエーが39円でコーラを売り、ボルティーという国産250ccバイクをたったの298000円で売っていた、1995年の流行語でもあります。しかし2017年現在だと、立派なノスタルジー。携帯どころかスマホやタブレットの時代ですしね。

それでもガソリン代も安かったし、龍園では100円でラーメンがくえた。景気に余裕のない2017年では、いくらプロモーションでもいまや100円でラーメンはありえない。

私も40になろうとしているので、若き日の旅を振り返ってみると、あのころは気づかなかったけど、とにかく元気がありまくってたなと思う。

なぜなら、いまや日帰りツーリングのためにもはや朝4時に出発なんてバイタリティはもうありません。

これから逆に22年後になると、61歳なので、もっとダメダメのヨボヨボになってることでしょう(笑)

22年ということは、もはや一世代分、時が過ぎたわけですが、当時の自分にとって、2017年の夏に自分が何をやってるのかなんて、思いもよらなかったです。

ということで、

これからもたびいちドットコムでは

「過去と現在を行き来」します!

これまでの過去の経験が、あなたの肥やしになるように。

ちゃんちゃん

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