ワーホリの裏側と、AUS所得税32.5%のからくりの話。

たびいちです。

私も2003年9月から2004年9月までワーキングホリデーに行ってましたが

オーストラリアではワーホリの所得税がアホみたいに上がるそうですね。

しかもいきなり[Backpacker Tax]という名目で0%から32.5%になるので、これからワーホリを目指す人にとっては

これって、日本の消費税が8%から10%に変わるどころのレベルじゃない!

て目ん玉が飛び出るようなガクガクブルブルな話しですが、

実のところ!

これはあまり神経質にならなくてもいいと思ってます。

(5月17日追記:ワーキングホリデー税延期=日本の若者ら安堵―豪

時事通信 5月17日(火)11時1分配信

 【シドニー時事】オーストラリア政府は17日、滞在中に一定の就労が認められる「ワーキングホリデー」制度を利用する外国人を対象にした所得税導入を半年間先送りし、内容を見直すと表明した。

豪滞在中の日本人の若者からも「生活困窮を避けられた」と安堵(あんど)の声が上がっている。

増税案は「バックパッカー税」と呼ばれる。今は一定額以下なら非課税だが、7月から少額でも32.5%の所得税を課す計画だった。国民の若年失業者保護 と税収増加が狙いだ。しかし、農業界や観光業界が若年外国人の雇用を確保できなくなるとして猛反発し、延期を余儀なくされた。

ジョイス副首相兼農業相は「農家は収穫作業などで労働力不足に直面している。外国人就労者は重要な労働力だ」と力説。一方、野党・労働党は、7月2日に控えた総選挙後に「問題を先送りしただけ」と批判した。

なぜなら、もともとオーストラリア(オース)は日本に比べて非常に時給が高いのと、オースの所得税の還付が難しいのと、そしてグレー・ブラックゾーンが極めて大きいためです

もちろん、英語が非常に堪能で、海外の職務経歴も長く、すでにカナダとかのワーホリベテラン経験者などで、「日本よりもオースのほうが稼げる」といって、「出かせぎ目的」でオースにワーホリする人にとっては相当な痛手になると思いますが。

時事通信 5月10日(火)16時30分配信

【シドニー時事】オーストラリア政府は7月から、ワーキングホリデー(ワーホリ)査証で就労する外国人の若者に対する所得税率を、0%から一気に32.5%に引き上げる。

手取り収入の激減は避けられず、ワーホリで滞在中の日本人からも「暮らしていけない」と悲鳴が上がっている。

従来は豪国民と同様、年収1万8200豪ドル(約145万円)以下なら非課税。政府は財政再建策の一環で、ワーホリの若者らを対象に、中所得者並みの所得税率を課すことを決めた。

ワーホリは、国・地域間の取り決めにより、相手国の若者が一時的に働きながら滞在することを認める制度。英語圏で治安が比較的良い豪州は、渡航先として人気が高い。ただ物価高の豪州で、ワーホリの賃金は低め。増税により、豪州を敬遠するムードが広がる可能性がある。

引用:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160510-00000088-jij-asia

そこで、

あまり神経質にならなくていい点、を解説します

時給が高い

オーストラリアの最低賃金は時給17.29豪ドル(約1400円)

ハードワークを要求されるレストラン業務はさらに最低賃金は高く、時給21.09豪ドル(1700円)週末は25.31豪ドル、祝日は42.18豪ドル。

つまり五つ星ホテルの懐石料理・高級寿司店はともかく、庶民的な街角のラーメン屋でもアルバイトには時給1700円、祝日にいたっては時給3400円!も払わなくてはならないのです。

なので所得税32.5%を差し引かれても、日本で時給800円だの900円だので働くより、まだ全然高いわけです。

もっとも、自分の頃は、時給21ドル払ってる日本食レストラン(ジャパレス)なんて、聞いたことがないが・・・(その理由は後述)

所得税の還付が難しい

逆の立場で、オーストラリアから日本でワーホリに来る人が、源泉徴収で所得税を還付することを考えてみてください。

日本ですら「源泉徴収証」だの「確定申告」という小難しい単語が並び、しかも手続きが大変なのに、

これが日本語もよくわからず、漢字が読めない外国人がポッと日本にやってきて、

それが理解でき、手続きがスムーズにいくだろうか?

オーストラリアの場合、たしかにこれまで所得税は0%でしたが、日本の源泉徴収と同じで、32.5%を差し引かれた金額を、給料として支払うわけです。そして日本と同じく税務署で32.5%を還付するわけですが、

還付はなおのこと難しい上に、それ以前にビザ期限の制約で出国の時期によっては、現地での還付はほぼ困難になってしまう

ましてや英語だから還付手続きは到底難しいですよ。

同じ英国連邦のネイティブのはずのイギリスから来たイギリス人ですら、還付を断念したと言っていたぐらいです。

もちろん、日系のエージェントなどで、所得税の還付を代行してくれる業者がいましたし、業者に任せるのが一番なんですが、それを知らないまま(できないまま)日本に帰国してしまう人がとても多いのです。

(もっともこれから32.5%が適用されると、エージェントに還付手続きをする必要がなくなるので、代行の仕事も干されてしまうだろう)

そして

グレーゾーン、ブラックゾーン(ピンはね)が大きい

ということです。

sydyakei

日本食レストラン(ジャパレス)で働くということ

豪の日本食店、賃金過少支払い=規定半値以下の時給800円-豪政府機関

【シドニー時事】オーストラリア政府の労働監視機関フェア・ワーク・オンブズマンは21日、クイーンズランド州にある日本食レストラン「有頂天」が不当に過少な賃金を従業員に支払っていたと発表した。一律で時給10豪ドル(約800円)と、規定の半値以下の賃金しか支払っていなかった。

所得水準や物価が高い豪州では、最低法定賃金も時給17.29豪ドル(約1400円)と高い。レストラン業界の従業員に適用されるルールでは、最低賃金は時給21.09豪ドル、週末は25.31豪ドル、祝日は42.18豪ドルと規定されている。
有頂天は、人気観光地ゴールドコーストのサーファーズ・パラダイスにある。経営者らは違法と知りながら、ワーキングホリデー査証(ビザ)で働く従業員16人に対し、一律で時給10豪ドルしか支払っていなかったという。
未払い賃金は総額3万1500豪ドル以上に上る。オンブズマンは有頂天経営者に対し、支払いを求める。
賃金の過少支払いは、有頂天の従業員の1人がオンブズマンの支部に相談したことから発覚した。オンブズマン幹部は「移民を含む経営者は、適用される労働法を理解する必要がある」と強調した。(2016/01/21-15:33)

引用:http://www.jiji.com/jc/article?k=2016012100586&g=eco

実はこのケース、

珍しいことではありません。氷山の一角です。

というか、オーストラリアのジャパレス業界では一種の「暗黙の了解」でした。

かつてワーホリが施行される前は、オーストラリアで日本料理と言えば、まぎれもなく高級料理だった。

しかし今では、オースでも簡単に、それどころかほかのエスニック料理よりも日本食を安く食べる事ができます

上のニュースを見ると

「これって、ピンはね? てことは、経営者はピンはねした金で、超巨大な豪邸に住んで有頂天になってるのか!」

と思うかもしれませんが、そんなことはないでしょう。

「御客様のために、うまいものを、より安く」

「日本食の良さをオーストラリアに伝えたい」

「各国料理のレストランとの、熾烈な競争」

となれば、店舗の運営維持のために、コストのかかる人件費を下げるべく、イリーガル(違法)と知りつつ日本レベルの低賃金で働かせることになる。

他店との競争と、日本的な「善意と人の良さ」が、結果的には「ブラック企業・オーストラリア支部」を作り出してしまった。

だけど、ジャパレスも変わりつつある。

私の頃は、ジャパレスもまだ体育会系的な空気が支配していて、有頂天の時給10ドル(800円)どころか時給7~8ドル(560~640円)というのはオースのジャパレスではどこでも「暗黙の了解」だったわけです。

なぜなら仕事が滅茶苦茶きつくて時給が安くても、英語ができない人にとっては、異国の中でも数少ない働き口でもあったわけです。そして海外にいながらタダで日本食も食べれるし。

しかし、近年日本でもブラック労働が問題になったおかげで、

若い人でもオーストラリアでも「異議あり!」と立ち上がるようになった

「ゆとり世代がなにを言うか」と思うかもしれませんが、これは正しい選択です。

国の法律で決められた最低賃金をもらうのは、当然の権利ですからね。

皿洗いでも時給1700円(32.5%の税引き後は1148円)。だけどあのラーメン屋のドレイのような劣悪環境を考えると、手取りで1148円以上もらって当然中の当然です。

そのかわり、オーストラリアでも700円で食べられたラーメンも、人件費がオースレベルに戻ると、一杯1100円ぐらいになるでしょうね。

日本並みの値段でラーメンや回転寿司が食べれたけど、オーストラリア並みの値段になる。

そうなると価格競争なので、ローカルの客がチャイニーズやコリアンレストランに流れていくおそれもある。

きっと今回のピンはね事件で経営者側も、

かつてだったら「あーあ、ばれちゃった」ぐらいにしか思ってないんでしょうね。

最低賃金以下のイリーガルで働かせるのはジャパレスに限らず、

チャイニーズレストランやベトナムレストランなども似たようなものだろうし。

もし所得税が0%のままだったら、オースの当局がよほどきびしく罰しない限り、

イタチゴッコが続いてたと思います

そして、これからは

日本では最低賃金が厳格に適用されても、海外であるオーストラリアでは、最低賃金はとても高いので、日系の業界からは体よく無視、黙殺されていた。(もちろん日系に限ったことではない)

しかし、これから32.5%が適用されると、日系の会社やジャパレスも最低賃金を払うところも増えてくるでしょう。

なぜなら、レストランの最低賃金は1700円とはいえ、税引き後は1148円(一般の業種だと945円)にしかならないので、日本よりも物価が高いオースではかなりきつい。

なので32.5%になったら、会社が体よくピンはねしてもその分の差額はタカが知れてるし、しかもいまのワーホリ世代は、ブラック体質にたいする意識を持つようになった。

これだけネットが当たりまえになり、炎上されやすい現在では、ジャパレスもこれまでのような「最低賃金無視というリスク」をとるよりも、コンプライアンス・法令を遵守したほうが店のイメージ向上にとっても得策なわけである。

なので、日本だったら大問題になりそうな前代未聞の超重税とはいえ、

逆を考えれば、ジャパレスで働きたいならこれからがチャンスかもしれませんよ。

それでは充実したWork&Holidayを!

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