世界一周16-1 ボリビア・ラパスのゲーセンと日本漫画とミレニアム預言者

南米・中米・北米編書籍・まんがゲーム
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世界最高所で迎えるミレニアムの年末年始!

4月より公開している世界一周の電子書籍 STK1ですが、

これまでの連載だと、一話につき10000文字ぐらいになって長すぎてしまい、

あまりに長いがゆえに読む人が少なくなって本末転倒だったので、

これからは分割して、読みやすいようにしていきます。

それではちょうど16年前の世界へどうぞ!


第16章 (1) ボリビア編
(2000年12月25日~30日)

ボリビア
通貨1ボリビアーノ(現地の日本人はボリとも呼んでる)=18円
・ガソリン 60円  ・宿 270円~
・I-NET 108円/h
定食: ステーキまたはチキンカツ、サラダ、ポテト、ライス 108円

屋台: ウインナ-&ポテト 45円 ローストビーフバーガー 99円 ジュース 18円
・ラパス名物 肉じゃがならぬ、もつじゃが 27円(インディヘナのおばさんが巨大な中華なべと石油コンロを使って路上で料理する)

※ラパスは富士山頂と同じ標高で、息がつらいし寒いが、食べ物は安くてうまい。

 

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頭のネジがこわれるほど遊びまくる

富士山頂と同じ標高のボリビアの首都ラパス。気圧も660hpaと、空気の量は2/3しかない。

歩く分には問題ないが、階段を上るとさすがに呼吸回数も増えて息がきれそうになる。この時ほど「きゅーしん、救心」という言葉がフラッシュバックしたことはなかった。

そしてこの時期雨季なので、夏とはいえ毎日冷たい雨が降り、時には雹も降る。気候的にはスウェーデンあたりと同じかもしれない。
そんな厳しい環境なのに関わらず、ラパスは仙台や広島と同規模の都市に発展したのだから、人間のバイタリティーは偉大である。

ここは物価も安いし思った以上にいい所なので、年末年始はダラダラと20日間も沈没した。

昼間はゲームセンターに入ったり街をぶらぶら。夕方は日本センターの図書館で本やマンガを読み、夜はネットカフェ。そんなダメ高校生のような毎日が続いたが、これまでの旅を整理し、たまった疲れや垢を落とすには最高の日々であった。

ラパスはゲーセンの数が多く、小さな店が街中に何軒もある。日本だと一回100円だがここではたった6~9円なので青少年に混じって毎日のように通い遊びまくった。一日50回やったとしても300円程度。

自分が小学~高校生だったころ嵌っていたなつかしのゲームもあるから、なおさらのことだ。

ゲーム基盤はどれも日本の中古だが、今年製のもあった(ロードランナーのリメイク版)のには驚く。海を越えて運ばれた物なので、チリのゲーセンでも日本の中古機が多く、日本語表示のままになっているので日本語の読めない彼らの前に私は実に有利で優越感まるだし。(笑)

ただし、同じ南米でもアルゼンチンやブラジルなどでは欧米からの中古ゲーム機が多かったのが興味深かった。

貧富の激しいインド・カルカッタのゲーセンは、カオスとゴミに満ちた外とは違って、店内にはなんとクーラーがきいていてきれいだった。ゲーム機は日本からの中古。

しかし店内にはガードマンがいるので、一部の金持ち坊ちゃんや、私のような外国人ぐらいしか入れない高級遊技場だった。値段は1回25~75円とタイと同じぐらいかそれより高いが、インドの物価からすれば非常に高いのである。

ブラジルでは、街角の小さなゲーセンだと一回15円。ゲーム用コインに両替するカウンターの壁にはなぜかキリストとマリアの肖像が掲げてある。ゲーマーもラテンの血が騒ぐのか、「オーパ!オーパ!」と興奮し叫びながらゲームしていたヤローもいた。

そしてここラパスでは、靴磨きの少年たちも業務の合間にゲーセンに入ってくる。
ここの靴磨きの少年はなぜか、すっぽり顔を覆う銀行強盗のような覆面をかぶっている。そんな集団を初めて見ると恐い気もするが、寒さ除けのほかにも、子供のプライバシー擁護の為なのかもしれない。

ゲームセンターに入ることで普通の観光旅行、ましてやパックツアーでは見えない現地の青少年のありのままの姿が見れるので、これほど面白いものはない。

 

その合間に、街や市場などもくまなく歩いた。小さなエリアに店や屋台もあるので実に飽きない。食べ物も安くてうまいし気軽に食べられるのでバカスカ食べまくる。

ラパスを走るタクシーは、全て白い中古のカローラだった。カローラを使うあたり日本のタクシーと変わらないのだが、さらに後ろには「トヨタカローラ岩手」とか「カローラ山口」といったステッカーがそのまま貼られたままなので、全国からのカローラのステッカーをいかに多く見つけるか、なんてのもラパスの楽しみの一つだった。

履いていた靴がボロボロなので、もっと頑丈な靴を探した。普通の靴屋だといまいちだったので、作業服などを売っている店に入ると、いい靴を発見。その皮製の靴は作業用とだけあって、つま先には安全靴のように鉄板が入っていて衝撃にも強いしなによりギアチェンジが楽だ。長持ちしそうだし「当たり」の靴だった。

広場で履き替えていると、少年がやってきて、「その古い靴がほしい」なんていっている。

古い靴は汚いし穴が開いてボロボロだったのでちょうど捨てようと思っていただけにこんなボロ靴でも少年が使ってくれれば、ゴミも減って地球環境にも貢献できる(?)
し、なにより人の役に立ってくれるわけだから、これほどうれしい事はない。

日本ではまだ使えるものも粗大ゴミとしてガンガン捨てている。複雑な管理社会の下、毎日あくせく働かされて、金はあっても使う時間の余裕がないから自分にとって必要か否か考える間も無く物を買う・・・。物は増えても何かが満たされずストレスは減らない・・

そんな過剰消費の世の中に対して自分は疑問を持ち続けていただけに、こんな汚いボロ靴を欲しがる少年に会ったことで、豊かさとはなんだろう、人々の仕合せとはなんだろうと再認識した出来事だった。

標高3600mでマンガを読み漁る

昼はゲームセンター。そして夕方ごろから、ラパスの日本センターの図書室に行く。

少し古い雑誌や本の他にも、マンガ本が沢山置いてある。日本語に飢えているのでむさぼり読む。遠い長旅に疲れて、ここでマンガを読んだり借りたり(有料)する旅行者も多い。

日本だったらとっくに処分されているであろう数年前の週刊誌。しかしここでは日本の週刊誌ですらとても貴重であることは言うまでもない。読むと当時にタイムスリップした気分になる。
マンガのほうは、サンパウロの図書館同様、往年の作品が多い。

ここでよく読んだのが「こち亀」などのほかに、
https://tabi1.com/mr-kiasu-kochikame
「はちきん」「土佐の一本釣り」といった、土佐のマンガ。このような1980年前後のマンガは、「朝太郎伝」を皮切りに土佐を舞台にしたものが多い。

https://tabi1.com/in80-kochi
彼らが発する独特な方言と、龍馬のように精力あふれる行動が味を出し、1世代前の高知の男臭い独自の思想と哲学こそ、現在では表現できない異様で狂気とも言えるパワーに満ち溢れていた。

そういえばサンパウロの青年図書館で地元の日系少女に混じって熱心にマンガを読んでいた「奥田のお父さん」も、古い無名のマンガ本を読んでいるうちに、あのころの若かりしころの思いが甦り、昔の自分自身とを反芻していたに違いない。

世界一周16-2 南米ボリビアに「預言者」が実在した!ミレニアムのあの日。

ちょうど16年前のミレニアムの大みそかに、日本より遠くはなれたボリビアで「預言者は実在した!」という話をお送りします。

そんな当時の心からの驚きを、みなさんも感じてください

 

千年紀最後の日の通信革命

2000年12月31日。
ボリビアの首都ラパスでは、年末年始の20日間過ごした。

昼間はゲームセンターに入ったり街をぶらぶら。
夕方は日本センターの図書館で本やマンガを読み、
夜はネットカフェ。

そんなダメ高校生のような毎日が続いたが、これまでの旅を整理し、たまった疲れや垢を落とすには最高の日々であった。
https://tabi1.com/atw16-stk1-bolivia-lapaz

そして夜は「日本語ソフト」と書かれたインターネットカフェ。その店員の一人は日本人女性だった。多分彼女はボリビアの日本人移住地出身なのかもしれない。

当時でもOSはWindows98を使っていたのだが、日本語ソフトだとWindows95と初期の古いタイプなので、文字化けが多いしやたらフリーズした。だけど安いし、ここで初めてインターネットの偉大さを知ったのだった。

一番驚いたのは、2000年12月31日夜19時のこと。
大晦日の夜の南米ボリビア・ラパスのインターネットカフェにて自分の今までの常識を覆す物に出会った。

モニターを見ると、そこには
「渋谷の正月カウントダウンで3人負傷」
と、なんと日本の2001年の正月の事件が載っていたのだ。

というのも、日本の雑誌や本が届くまで何ヶ月もかかるようなこの南米。

しかもここ南米ラパスでは大晦日の夜なのに、

なぜ日本の正月の事が載っているのか。

このパソコンは預言者なのか?

あの時の未来を予言したような驚きは一生忘れない。

通信革命の洗礼

こうして20世紀、いや千年紀の最後の夜、日本では2千年紀、21世紀最初の日に、「通信革命」の本格的洗礼を受けたのである・・・

インターネットは情報革命そのもので、世界のどこにいても瞬時に情報が届くために、ブラジルで3ヶ月遅れの雑誌読んでいたのがウソのようだった。パソコンの前にいると、標高3700mのラパスではなく、日本にいる気分だった。

しかも時差の都合で、預言状態になっているという。

そして大晦日23時20分。ラパスの中心へ行く。ハチ公前やタイムズスクエアみたいにカウントダウンをやるのかと期待したが、人なんか全然歩いてやしない。

これじゃあ大みそかもくそもない。イヴ同様またがっくり。こんな地味な都会に期待するのはやめて、宿に戻りラジオを聴きながらベッドに寝転がって新年を待つ。

23時45分。あたりの民家から花火の音が聞こえる。あちこちで花火の音が混じる。

そしてついに2001年になると同時にあたりの花火の音も最高潮に達した。


そして16年後の2016年。

今でこそネットやWiFiやLTEやスマホが当然の時代ですが、

16年前の2000年当時は、ミレニアムといわれており、

まだネット環境は黎明期だったので、

いまやネット漬けな毎日な現在から振り返ると、

あの預言者にも思えた「新鮮な驚き」がなつかしくもあります。

ということで、2016年も残すところあとわずか。あと23時間ですね。

それでは、良いお年を!

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