あなたは、かつて乗鞍スカイラインを通れることができたのを、おぼえているでしょうか?
しかし2002年10月をもって、一般車両の通行は禁止されることになった。
それを前に、最初で最後の、一般閉鎖前の乗鞍スカイラインに行くことにしました。
あれからちょうど14年後の2016年の10月20日に、当時書いたツーリングレポートを復刻します。
最後のスカイライン
2002年10月19日
(使用車種 GN125E)
金曜日18日の夜23:40、埼玉の自宅を出発。
ずっとR254を走る。途中下仁田あたりのバス停小屋で少し寝たあとは、ずっと走り、松本に着いたのがまだ翌朝4時。自宅から松本まで187km。
深夜で速く走れたので、あまりに早く着き過ぎてしまい、乗鞍に行く前に新穂高の無料の露天風呂に入ることにした。6時、入湯。入るとあったかいけど、湯から出たら寒い。
昔、日本一周をしてたときに野宿していたこのバス停。今朝立ち寄ると、別の人が野宿していた。
そして乗鞍スカイラインへ
7:30、乗鞍スカイライン入り口。
現在ではバスに乗らねばならず、マイカーなどはもう入ることができない。
植生が変わる。どうでもいいが、PCで変換すると「乗りクラス会ライン」と出てしまった。。
料金所
閉鎖まで12日と言う大特需なので、せっかく朝のはよにいっても早速渋滞。これでもクルマだと最後尾に着くまで1時間半もかかる。
渋滞を尻目にすりぬけできる原付2種のGN125の通行料たったの150円だから、なんか申し訳ない気分もしないわけでもない。
標高2350mあたり。気温7℃。まだ渋滞は無い。
いまやこの風景は、バスの車窓からでしか見ることはできない
頂上に近づくにつれ渋滞が始まる。水戸ナンバーや和泉ナンバーや山口ナンバー(なぜか社用車)も見える。
渋滞つづくよどこまでも~
8:30ごろ 終点の畳平に到着
標高2700m。曇り。最低気温は-2℃らしいが今GShockの気温を見ると4~5℃。雪はかなり少ない。路肩の雪も2500mを過ぎてから見た。一応寒いのは寒いけど、雪まみれの極寒道路を期待していただけにそんなに寒くないのでつまらない。
小高い山に登り、
降りた後は土産屋で試食をくいながら栄養補給。
頂上を降りる。2600m地点で一瞬極小の雪降った。だけどすぐ雨に変わった。標高高いのに何で雨なの?
反対車線には頂上へ向かうカブに乗った女の子を見かけた。乗鞍閉鎖も近いので今日はツーリングバイク異常に多かった。
特に大型バイクの数が目立つ。10年前だったらリッターバイクなんてまだマイナーだったのに。
昼頃松本に戻り、
パルコの6階でルパン三世展なんてやっていたので入った。
小淵沢から清里へ。80年代の清里ブームも過ぎ去った清里は今や廃墟まみれとTVで見たのだが、街を外れた国道沿いのペンションは悪魔城のように荒れたペンションがあちこちにあった。壁の「北野印度会社」の文字がくずれていて、たけしですら見放している雰囲気。
今見ると、車すらも時代を感じる。
野辺山の駅近くでバザーをやっていたが、標高1300mなので平地と違ってみんなジャンバー着ていて寒々しい。2000年の夏、暑いミラノからスイスの高原都市サンモリッツに来た時と同じ感じだ。
17時30分、ノーザンウォーカーズ(WTNJ)のキャンプの行われる会場、眠くて疲れて目が廻りそうになりながら廻り目キャンプ場へ到着。
トリップメーターを見ると18時間連続、125ccなのでもちろん下道で534kmも走ってしまった。いつものばか走りである。
決して安全とはいえない一気走りだが、気がついたらこんなに走ってしまったし、ノンストップで走りに走らないと気がすまない性質のようだ。
キャンプは、相変わらず世界を駆けるつわものがやってきた。
ニカラグアのマンゴ荘がどうだのと、ピンポイント的でマニアックなネタに盛り上がる。
標高1600mで冷たい雨が降っていて辛かったが、世界一周から帰ってきたばかりの松尾清晴氏のコテージに泊めさせて頂いたので不幸中の幸いで、この場をお借りして感謝の意を述べておきます。
10月20日(日)
翌日は15時にキャンプ場を去り、ノンストップで帰る。
難関・中津川林道は1720mの峠を境に長野側までは舗装だが埼玉側に入ったとたんダートに変わる。800億円かけて埼玉スタジアム2002なんか作る金あるくせになぜ未舗装のままなのか?(笑)
まあこれだけハイテク化が進み豊かな国だけど山奥に野趣あふれる未舗装道路ぐらいばんばんあってもいいやね。
暗く寒くシトシト降りの中、雨に濡れたダートを下ると腕が疲れる。その腕の痛みが悪路に苦戦したクスコからナスカ間のペルーのアンデス越えを思い出してしまいなかなか楽しい。
ようやく長いダートを出たのが標高770m地点。大滝、秩父へ。雨の日は一分足りても走りたくないのだが、雨だからねずみ捕りもやってないだろうと思い、雨にかかわらずR140をかっとばし帰宅。
キャンプ場から自宅までノンストップ・134km、3時間40分連続走行だった。 おわり。