カンボジアで電動自転車(電動スクーター)に乗ってみた

カンボジア・ラオス二輪車
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日本では乗る機会のめったにない、電動スクーター。それはどんなものなのか、くわしくリポートします!

電動自転車を借りる

アンコールワットの町・シェムリアップ市内の、国道6号沿いにあるカルテックスのガソリンスタンドから南の道に下ると、レンタサイクルの店が何軒かあります

一大観光地なのでぼったくりの店が多い中、一番安い店だと ママチャリ1ドル MTB3ドル 電動スクーター6ドル スクーター9ドルと良心的なので、日本では乗れないものを借りようと電動スクーターを借りました

この電動スクーターは小学生でも乗れるぐらいにきわめてシンプル。すなわち単車というよりも自転車という感覚。

写真のように真ん中にヘッドライト兼電池残量表示などのインジケーターとキーボックス。スピードメーターはない。残量のインジケーターが大まかなので、残りどこまで走れるのかが判断しにくい。

右ハンドルはスロットルと速度切り替えボタン。左ハンドルのスイッチはホーンボタンで、押すと「チー」というおもちゃのような電子音が鳴ります

なお、キーを右に入れると大灯になり、百円ショップのセリアで売ってるような安手のLEDヘッドライトが点灯します

どんな音がするのか

電気だけで走るプリウスのように静かなのが特徴。

厳密にいえば「にゅ~」というかすかなモーターの音や「カチッ カッチ」という音があるので、電動フォークリフトと同じような音。だけど、カンボジアの騒がしい雑踏では全然聞こえない

初めて乗った瞬間

エンジンのついたスクーターでもなく、自転車でもないので、スロットルをひねるだけで勝手に静かにサーッと進むのは、驚きの感覚だった。無音なので気球に乗ったような気分である。

航続距離は?電池切れになるとどうなる?

マンタンに充電して、40㎞と言われました。しかしGPSで計測したところ、実際36㎞ぐらいでバッテリー切れになりました

残り10%ぐらいになると、残量表示のLEDが赤く表示されますが、それ以前から最高速度が落ちるようになる。(残量表示はあまりあてにならない)

救いなのは、電池が切れたからと言って、いきなりストップするのではなく、じょじょにスピードが出なくなるので、完全電池切れまで3キロぐらいの猶予はあるが、そうなったらただちに充電できる場所に戻らないといけない。

そのため、店の主人は「夜になったらうちにもっておいで。一晩充電しとくから、明日の朝になったら満充電で乗れるから」と面倒見のいい店でした。

満充電まで6時間かかるそうです。

もし、道中で完全に電池切れになったら、近場だったら押して歩けばいいけど、あまりに遠いところなら、馬車型のバイクタクシーに、一切合切乗っけてもらって街まで戻るという手もあります

スピードはどのくらい?

速度は3段階で、右のスイッチには「低速・中速・高速」と書かれていて、漢字圏である日本人でもわかりやすい。

速度計がないので、手持ちのGPSで計測したところ、最高速は低速では26㎞、中速は30㎞、高速は32㎞と、そう違いがないものの、低速から、中速、高速にいれると、それぞれにゅにゅにゅっとターボがきいたような加速が実感できました

 

ヘルメット着用は?

シェムリアップの場合、普通のエンジン付きのスクーターの場合は日本と同じくヘルメットは必須ですが、この電動スクーターは自転車扱いと見なされるのか、ノーヘルでもおとがめなしでした。

乗り心地は?

自転車に乗ってるような感覚だが、当然自動運転なので疲れないけど、安っぽいのでちょっとした凸凹でもギャップを拾い、おもちゃのようにガタピシで、腕がしびれてくる。

 

レンタルした左の赤いのにくらべ、右のほうが乗りやすそう。

シェムリアップはレンタルバイク解禁!

カンボジアではあまりに交通事故が多いため、アンコールワットおひざ元のシェムリアップではこれまでの長い間レンタルバイクは禁止(レンタルサイクルのみ)でしたが、2018年に来たときは125㏄バイクも借りれるようになった。すなわち解禁されたようです

交通状況はだいぶ改善されたとはいえ、依然として交通マナーは悪いので、しんちょうに運転する必要があります

 

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レンタルした電動スクーターで、小さな旅!

カンボジアのシンボルと言えば、言うまでもなくアンコールワット。

シェムリアップの町から北にあるそんな世界遺産・アンコールワットへ行きました

動画は、アンコールに向かう道です。

チケットなしでのアンコール付近の入場は不可!

レンタルバイクがあれば、アンコールワットまで自由に簡単に行ける!と思いでしょうが、アンコールワットを外からタダで見たいと思ってる人は、あきらめましょう

なぜならチケットがないとアンコールワット付近に行けなくなってしまいました。今まではチケットがなくても、ワットの周囲・外濠なら自由に行けたのに。

 

実際、今年の場合も、せっかくシェムリアップに来たなら、アンコールワットにあいさつをしておこうと進むと、途中のチェックポイントで止められた。

現地人ならOKでも、外国人はチケットがない場合はこの先進んではだめだという。濠の外から眺めるだけで別にアンコールの中に入るわけじゃないのに、とても腹立たしい。

しょうがないので別のルートでとつげきしたところ、現地人と思われたのか停められず入ることができた(しかし後日125㏄スクーターで再度通ったら、ストップがかかり断念)

ということで、チケットがないと、アンコールのアの字すら見れないものだと思ってください。

アンコールワット前に到着

最初の検問でストップがかかるも、2回目の道路で、なんとかばれずに通過。目の前には濠があり、その奥にアンコールがある。

 

しかしここからだと、まるでRPGのラスボスの城のように、その先のアンコールが見えない。

西口の入り口に来ると、先が見えた!これでアンコールワットへのあいさつが叶ったぞ。

しかし親中路線真っただ中のカンボジアなので、思った通り団体客がうじゃうじゃですっかり興ざめ。

一大観光地の宿命とはいえ、これじゃあ静寂の中で祇園精舎の世界に浸るのは無理。入場料も1日37ドルとガンガン値上がりしてるし、もう今後アンコールワットに行くことはないな。

 

絵葉書売りの少女

そういえば、以前このアンコール西口に来たときは、何人かの子供がやってきて、そのうちの一人の少女が「アサヒ、アサヒ」と連呼していた。

なんと日本語ができるとは!もしかしたらこの少女は朝日新聞の販売員かと思ったが、なんのことはない。朝日の映っているアンコールの絵葉書を売っていた。

何枚か入っていながらたったの1ドルだというので、その安さに買う気はないのに思わず買ってしまった。

今思うとこのアサヒ少女に「アサヒィ スゥパー ドルァイ」という言葉を教えればよかったと心から思った。そしたら日本人は間違いなく笑うので、売れ行きが増えたかもしれない。

でも、今では「そんな物売りしてないで学校へおいきなさい」ということなので、物売りの少年少女は見かけなくなった。

かわりに、ちょっと外れに行くとアイスクリーム売りがいた。最初2000Rとぼったくりだったが、1000R(27円)に負けてもらう。うまい。

 

 

アンコールワットに背を向けて

そして翌日は、アンコールワットとは逆方向の南方向、トンレサップ湖方面に行くことにした。

昔は湖の岸まで行くことができたので、今回も行けるところまで行こうとしたが、いまでは湖の港から少し行くと開発の工事をしていて、その先に行くことはできない。つまらんことしやがって。

この写真は2005年。湖に面した漁村があったが、開発によって今はもうないのだろうか

 

まあどっちにせよここまで来るとバッテリーの残りが気になるので、戻らなくてはならない

湖港近くの売店で休憩。1個27円のカンボジアアイスがうまい

 

プノムクロムの小山から湖と地平線を眺める

湖に行く前の道では、途中小山に突き当たる。

(この写真は2005年撮影)

階段を上り、小山の中腹辺りから、ようやくトンレサップ湖が見える

井戸水の味

のどが渇いたので、途中の集落で井戸を見つけたので、水を飲もうと井戸に行くと、ちょうど少女が水くみと洗濯をしていたので、それが終わってから井戸水を拝借しようとおもってた

プラプラほっつき歩きながら待っていると、少女がやってきて、なんと自分に水の入った杓子をだまって差し出すではないか。

なんて優しい子なんだ。

井戸水はやや塩気があり臭みのある水で、飲用には適さない味だし、有害物質も含まれてるかもしれないが、飲んじまう。ここで断ったら世界一周ライダーの名が廃る。

その井戸は、シンガポール人の有志によってドネーションされて作られたものなので、そんなガイジンに対するささやかなお返しなのかもしれない。感謝の循環。

そして2013年はシェムリアップ郊外の村に立ち寄った時、村人からマンゴをもらったことがある。通りすがりの日本人なのに。シェムリアップの田舎は本当にいい!

カンボジアはインドシナで最も強烈な国だ

そんなこんなで旅したカンボジアの感想。

騒音によるストレスにまみれ、首都と地方・貧富の差は激しい。

役人などは腐りきっていても、カンボジア人は心の優しい人が本当に多い。

そんな激烈なカンボジアに足を踏み入れると、「ただの通りすがりの旅人」では許してくれない強烈さがあるのでした。

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