(21)インドの寝台列車 2日目・デリー到着

インド2015列車・鉄道
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12月19日の日記より:

寝台列車の中。7時に目ざめて、8時に起きる。

インドの寝台はタイの寝台よりもとにかく幅が狭かった。荷物をとなりに置くととてもキュウクツだったが、それでもバスなどと比べれば横になれるのでちゃんと寝られた。

だけど反対側の寝台ではカーテンを閉めていて暗くて外が見えないのでとても退屈。ベッドの段は、ずっと寝てられると言う事でUpperにしたのだが、何も見えないと面白くないので、Lowerにすればよかったかも。

トイレは、タイの寝台列車同様、手製左手ウォシュレット。ノンエアコンよりも3倍高いクラスのため、利用者のモラルも向上するのか、わりときれいだ

しゃがんだところに、いい具合に黒い砲弾のような半球型のコップと、蛇口もちゃんとある。左手ウォシュレット。寒いけど。

差し込み方によって、電圧も形状も異なる、面白いコンセント

ほかの席を見ると、ノートPCでDVDみてたり、一昔前のミニテトリスゲームで遊ぶ子供がいたり、女性のグループはトランプやってたり。日本やタイのようにスマホをいじってる人はインドではまだ少なかった。

タイの寝台列車は7割がたが外国人(欧米人バックパッカー、中国人など)だったが、インドの寝台は打って変わって私以外インド人だった。

エアコン寝台はノンエアコンの普通寝台の3倍以上する高いクラスなので、乗客はみんなちゃんとした感じだった。盗難や睡眠薬強盗のリスクもうんと小さい。

そのかわり人との交流も無く、15年前の2等寝台の時とちがい、退屈で全然面白くない。なので帰りはデリーからバンコクまでは、そのまま飛行機で帰りたい。

 

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9時に朝食

小さな食パン2枚とオムレツ、ケチャップ。うまい。そして定番のマンゴジュースと、チャイセット(ティーバッグ、砂糖、粉乳)お湯は小さなポットでわたされる。

霧で真っ白になって視界がきかないので、スピードが遅い。昼になっても霧が立ち込めており、なんだか寒々しい。

すぐそばの線路の上を歩く人

本来なら11時半に到着するはずなのだが、霧で大幅に遅れるので、一応昼食が出た。

きのうの残りなのか、何にも入ってないカレーと御飯という簡素さだが、だけどこれも日本のカレーと同じ味で、うまい。

予定時刻から3時間以上経った15時を過ぎても、到着する気配が無く、とにかく退屈。このままでは明日もあさっても、永遠に乗り続けるのではと言う錯覚におちいる。

 

やっとこさ、もうじきデリーに到着しようと言う頃、

二人の若い乗務員が神妙な面持ちでやってきた。

チップを要求してきた。手には100や10ルピー札が握られている。

しかし、出入り口側には「チップを要求されても払わないでください、もし要求された場合は下記電番に連絡されたし」と書かれている。それなのに乗務員はどういう神経しているのか。

見落とさなくて良かった。英語が読めてよかった。

私が「あそこに書かれている標識見えないの?ノーチップって書いてあるよね?あまりにしつこいと通報するよ~」

といったら「わかったわかった」とすまなそうな顔をしてとなりの席に移っていった。

乗客は自分のほかはみなインド人で、規約違反なのにかかわらず多くの人が彼らにチップを払っていた。インドの悪しき慣習と言うか、文化なのだろうか。

・・・とはいえ「通報するよ」と言って追っぱらった私も、性格悪いかもしれないが(笑)

 

デリー到着

結局、ニューデリー駅に着いたのが5時間遅れた22時間後の16時半だった。デリーはとにかくうすら寒い。夕方の時点で16度だったが、どんより曇っていて視界も悪いので、体感的にはそれ以下に感じる。

バンコクでは関東の8月の気温
チェンマイでは9月の気温
コルカタでは10月の気温だったのが

デリーでは11月の気温だ。

先月の11月に日本を出発する前日に、横浜の友人の家に泊めさせてもらった時と同じぐらいの肌寒さに戻ったのだ。

コルカタでは半そでで歩いてる人がいたが、デリーでは半そでで歩いてるのは自分しかいない。
みなフリースやジャンパーを着ていて寒々しい。昔インドで買った長袖Yシャツを着る。しばらくはタイの南国モードとはおさらばだ。季節はやっぱり冬なので早く南インドに行きたい。

頭に担ぐポーター。アフリカンスタイル。

ニューデリー駅の西口から、パハールガンジの通りに出る。ここは安宿街で、15年前にも来たのだけど、15年も経つと当時の記憶は全く覚えていない。2回目なのに、はじめてくる気分で新鮮。

15年前の日記では、駅前のサワンパレスデラックスと言う当時165ルピーの安宿に泊まっていたのだが、今探してもどこにあるかも判らなかった。

もちろん今ではそんな価格では泊まれるわけも無く、ナブランの250ルピーが最安。コルカタでは満室でさんざん苦しめられたのに、デリーではあっさり泊まる事が出来た。

しかもコルカタよりもデリーのほうがうんと安いやんけ。コルカタはなんで宿代があんなに高いんじゃ。

 

なので、インドに入国したさい、宿代が高く、環境も最低のコルカタはすぐに素通りして、デリーやプリーで旅支度を整える事をお勧めします

プリーも夜行列車で一晩で着くし、宿代がとても安く、人々もあったかい。そして海で遊べます。

命名「デリープリー作戦」。

 

今夜チェックインしたのは、ネットに紹介されていたヤトリサライという中庭のある汚い最安クラスのゲストハウスで300ルピー。

共同のインド式トイレと水シャワー。中庭の物音や大声がダイレクトに響くのでうるさく感じる。なによりホットシャワーがないのはこの時期とてもつらい。夏だったらいいのだけど。

そしてベッドが不潔で、寝ようとすると毛布がとても臭い!何年も洗ってないんじゃないか。吐きそうな臭いだけど、寒いので使わざるを得ない。もういやになってくる。寒さとうるささと汚さで不満が一気に溜まる。

アフリカのマラウイやタンザニアレベルの、安かろう悪かろうの宿。どうりで宿泊客が少ないわけだ。

こんなところは1泊で御免なので、ほかの宿を何十件か片っ端から訊ねてまわってみると、部屋にトイレとホットシャワー付き、さらにFreeWiFi付きの部屋400ルピーを発見したので、明日はそこに移る。

宿だけでなく両替屋も何十軒もあるが、ある店で円のレートはいくらかと訪ねると、店員はxe.comのサイト見てインド対円の比が5305となっていたので、一万円だと「5200」と言ってきた。

なんともどんぶり勘定だが、5200ならバハールガンジではいいほうで、あとは5000だったり5100だったり。

チャイは10ルピーとコルカタの二倍するけど、カップが大きいので妥協する。デリーのはしょうが味がより利いている。デリーは寒いので、より心が休まる。ラッシーは20ルピーより。じつにうまい。

寝台列車の中で下痢になっては困るのでラッシーとかは控えていたが、これからはNoLimitで食べる。まあ寒いしね。

メトロに乗ってカローバーグへ。窓口でいちいち行き先言ってトークン(乗車コイン)を買うのはめんどくさいので、「トラベルカード」というSuicaのようなカードを、トークン売り場ではなく窓口で買う。デポジットの50ルピー込みで150ルピー。Suicaを使う感覚がなつかしい。2駅分でたったの9ルピー。非常に安い。

デリー版Suicaのマスコットキャラは、ペンギンではなく、謎の品行方正的な少女。

二輪店街は夜なので残念ながら閉まっていた。ライディング用のジャケットも買いたい。

最安宿・ナブランの前の日本食堂のかき揚げ丼。天ぷらは日本のものとちがうが、とてもうまかった。110ルピー。まだ街中にいるので思ったよりもうまいものばかりだし、気温が低いのでまだ下痢にはなっていない。

0時に寝るが、タイから来ると、室内は日本の同時期のように、とにかく寒い。夜中、もう一枚毛布が欲しいところだった