期間中なんと1億人が参加する、空前絶後の惑星最大の祭、クンブメーラに行ってきました
3月2日
7時にアラーム。7時50分起床。21℃
きょうの予報は曇り昼から一時雨。
天気も良くないので手早く片付ける
8時半前に朝食に行く。閉まってる店が多い中、いつものレストランTreatはしっかり開けていた。その勤労サービスぶりは日本人のようだ。
最後の食事は前日と同じ焼肉定食。待つ間にノマド仕事。サイパレスのWiFiを拾っている。肉もくいおさめだ。
微妙な雨の中、タージマハルの街を出発。
アグラからエタワまでは、州の高速道路を走る
しかしスピードがあいかわらず60~70キロぐらいしか出ないので、本領を発揮できず残念。
エタワから国道2号へ。高速降りても概ね走りやすい。
インドのガソリンはリッター70ルピーぐらいだが、インドの物価からするとリッター700円かそれ以上なので、ほとんどの客は50とか100ルピーしか入れない。
ガソリンを泥棒に抜かれることもあるらしい
そのためギリギリしか入れないから、ガス欠で押して歩いてる人をよく見かける
カーンプルの手前から都市高速が始まる。一度インターを見逃すと、5~10キロぐらい行かないと次の入り口がないのがつらい。
カーンプルで宿を探したものの、泊まれず。インドでは中途半端な都市ほどめんどくさいものはないので、イヤになってカーンプルを出る
その後も進みながら宿を探すも、国道沿いのドライブインのボロボロの部屋が1000ルピー。なめてるのかという値段。
そして次の街に行き、宿にあたると同じく1000。
そうしてるうちに、縁石にぶつかって乗り上げてしまった。これはインシデント。危険な状態。どこかに泊まらないと。
そこでドライブインのボロボロ部屋に戻る。なんとか500に値引きしてもらったが、UP州はどこか人が冷たい。ラジャスタンとかと違う。いやなことばかりで表情が曇る。
朝 焼肉定食 ナーン
昼 ピーナツ5 チャイ10
夜 パールG 5 スプライト2本30
宿 Harsinghpur 500
走行 345Km
3月3日 アラハバード到着 クンブメーラ
昼過ぎ、アラハバードに着く前に、国道沿いのレストランで昼食。
国道は快適なのだが、バイパスからアラハバードの街中に入った途端、鬼のような混雑と暑さがやってくる。
わざわざクンブメーラに来たきっかけは、あの西遊のAさんから、
「せっかくこの時期にクンプメーラに行かないなんて、どうかしてる」
とまで言われたので、
ならば行ったろうじゃないか、ということでアラハバードまでやってきた。
私が見たかったのは、聖者の行進と言われる、インド各地から集結した何万人ものサドゥーが素っ裸になって歩くという、インドの摩訶不思議にふさわしいシーン。
しかし、そのようなものは全然見当たらず、会場が広すぎるし、人がめちゃくちゃ多すぎるので、しばらくいるだけでどっと疲れてくる。
広大な河原は会場と変化する
西遊旅行のツアーだったら、コーディネートできて、行進も見れたかもしれないが、そもそも何も知らない人間がバイクでぷらっといきなり現地にやってきても、何が何だかわかる由もない。
そこがトラップだったかもしれない。そもそもこの時期に泊れるところはどこにあるのか。
なぜかマットレスをかついで歩いてる人もよく見かけたので、野宿してるのだろう。
それでも来たかいがあったと思ったのは、夜の橋から見るイルミネーションが、ものすごいきれいだったこと。
そして動画も撮影しました
当たりまえだけど、アラハバードの宿はすべて満室。
なので、ダーバや食堂なら寝れるのではと、15㎞以上離れたバイパス沿いにある茶屋に行く。
「食事するから泊まっていいか」と言ったら、快く快諾してくれた
ここで取った夕食はチキンカリーとチャイ。そしてミネラルウォーター1L付きで計200と高めだったが、宿代込みと思えば非常に安いもんだ。
きのうきょうとすっかり疲れ切ったのか、グッスリ寝れた。標高70m 18℃
朝 ビスケットなど
昼 ダールフライ100 バターロティ8×3 コーヒー20
夜 チキンカリーチャイ ミネラルウォーター1L 計200
宿 名無しの茶屋ダーバ
走行 369Km
3月4日 聖と俗について
夜22・5℃ 外18.5℃
クンブメーラ最終日。朝から会場へ行く。
駐輪場にジクサーに荷物をつみっぱなしにすると盗まれそうなので、しょうがないのでバックパックを背負って歩いたが、全然歩けなかった
しかし、昼過ぎには終わってるような感じだった。それでも大勢の人々が「聖なる河」で沐浴をしている。
対岸に行き、バイクで行けるところまで行ってみる。すると沐浴場近くにこれた。
その対岸にはものすごい群衆。
クンブメーラの会場を見終えた後は、
アラハバードの近郊には、どこかで見覚えのある綱引きの像が。
そう、それはバンコクのスワンナブーム空港にあった
空港のだと、男たちはタイ人の体形だけど、
このインド版だと、筋骨隆々としており、キン肉マンに出てくる悪魔超人みたいだった。
タイとインドでも、違いがあるのは面白い
サドゥーつっぱり説
サドゥーというと、修業に崇高な人々を連想するかもしれない
しかしアラハバードに来ると、それはとんでもない幻想だといっていい。
もちろん、多くのサドゥーは己の道に従って清く正しく生きているのだろうけど
正直言って、私が出会ったサドゥーらは、とにかくなれなれしいし、素行が不良とかわらないのがいる
そのサドゥーもどきのせいで崇高なイメージが崩れ去り、印象が悪くなってしまうのである。
何言ってるかわからんが「よう、金くれ」といって、リアルな顎クイをされたのを今でも忘れない。
これがイケメンと年頃のヲタク乙女だったら、その乙女はもれなくアドレナリン全開になるだろう。
けど、
40男が若くて汚いサドゥーにアゴクイされても何のありがたみもないぞ。
でも観光客は、写真を撮ってホイホイ相場以上のチップをあげるんだろう。サドゥーにとっては生活するうえでのチャンスデーでもあるわけだ。
このサドゥー(もどき?)らは、車座になって座り、そのうちの一人は煙草(安いビーリーではない)を呑んでおり、その光景はまったく80年代のツッパリと変わらない。そんなことできる事態、お金に余裕がある証拠かもしれない。
なぜサドゥーはカツアゲするのか?
実は私は、ヒンズー教にはかなり批判的な目で見ている。
それはカーストのように、差別を肯定していたりするからだ。
だからインドと言っても、文化よりも、IT産業とかのほうに興味が向く。ITなら低カーストでも成り上がれるからだ。
といっても、ヒンズー独特のわけのわからん事象や儀礼などこそが、インドの旅の大きな見所でもあるのだが。
で、そんな私が邪推すると、「観光サドゥー」も混じってる自体、「聖者」の中には素行不良な社会不適格者が少なくないはずだ。
私のような自他とも認めるダメ人間が言うのだから、間違いは少ないはずだ。
誰でもやればできるわけではないし、特別な能力を持っていなくても、ただ生きていればいい。インドを旅していると、いつもそんな風に思う。インドには社会からドロップアウトした人、物乞いやサドゥーや芸人がいたるところにいて、それでも案外楽しそうに生きているのだ。 pic.twitter.com/fAdpTAAX0B
— 三井昌志 (@MitsuiMasashi) January 15, 2020
たとえば、
工場でのライン作業に全くついていけない人は、
工場では働けない。
しかし、
サドゥーにはそんな基準はない。
サドゥーにとって、
1分間に20個の部品を組み立てる技術は、
はっきりいって無駄な能力でしかない。
そしてずうずうしい一部のサドゥーは、横柄に強引に喜捨をもとめる。
(日本ではそれをカツアゲという)
日本と違うのは、日本だと生産性のない人間は蔑まされるし、乞食行為が法律で禁止されている日本は「喜捨」の文化がぜんぜんといっていいほどない。
初詣のさい銭でも、5円玉を入れる程度。5円で願いが叶ったら、それほど安上がりな物はない。
インドでは、サドゥーとして生きていける。
サドゥーとして出家すると、住民票(戸籍?)から抹消されて、なんと死人扱いとされるらしい。まるでリビングデッドのようだが、それが悠久の国インドの太古からの伝統なのだろう。
自分が見た限り、汗水流して働く人が多い中で、サドゥーはいつでもチャラスをやりまくってるような者も少なくない。そんな文字通りの「チャラ男」でも、時には現地の人からの尊敬を受ける。
日本のような生活保護のないインドにとって、
それが太古の昔から受け継がれてきたセーフティネットかもしれない。
そう思うと、
インドのほうが日本より断然やさしい社会かもしれない。