南アと言えば、アパルトヘイト。田舎でも都会でも人種による住み分けされてましたが、その中で、理想郷のような村を発見しました。
6月15日
12:45、キンバリー発、これより西へ、アピントン、そして最後の国・ナミビアへ向かう。
15:20、キンバリーから150km一気に走行し、途中の小さな村(正式な名前は失念)で休憩する。
そのうちのカフェは、白人のおばあさんが細々と経営している手芸店&カフェで、紅茶と、ハム、チーズ、トマトの手作りホットサンドを食べた。
あったかい雰囲気のカフェ。
この村はスーパーもなく、小さな雑貨店しかないので物も少なく、不便な村だ
しかし、不便だからこそ人種を問わず強く生きなければならず、そんな田舎らしい良さがある。
なにより店員の温和な雰囲気と、この村は珍しいことに、白人と黒人も共存している雰囲気があって、とてもいい村だと思った。
同じ南アでも、対照的である。
訪れる先々・国々ごとに、いろんな人種がいて、恐ろしい目にあったり、メリハリがついている。
夜になり、またヘッドライトがぜんぶダメになった。
単三電池のヘッドライトと、ウインカーの明かりでなんとか50キロ以下で走りながら、フロブラーシュープという村のカルテックスにたどり着き、すぐに自分でヘッドライトバルブ交換をした。
終わったころにはヒマな黒人少年などがあつまってきたが、インド人のように黙って見つめるだけ。
これが南ア式の黒人なのだろう。このほうがうっとうしくなくていい。レソトと違って、南アの黒人は大人しいというか、大人だ。
差別される側
その村で泊まるところを探そうと、村のホテルのバーに入ると、客はボーア人だけ。「チンチュンチョン」なんていうやつがいた。悪気はないのだろうが、明らか他人種を見下したアパルトヘイトぶりがまだ根強く残っている。
差別される身になって判ったものだが、差別と言うものはこうして現れるんだろうな。
そんな風に言われると、
「中国人と日本人の区別もできんくせに、井の中の蛙のくせにいきがるな!このイモ!カッペ!氏ね」
と思ってしまう。ただ先日のレソトの壮絶すぎるひどさに比べれば、まだ全然マシだけど。
そしてそのうち一人のビートルズ風の青年は英語がなまっていたが、とても親切だった。よかった。
さもないとレソトのように、その国や町のことが嫌いになってしまうからだ。
快適な一夜
その青年が紹介してくれたGroblershoop GrapeVine GuestHouse へ行く。
最初は敷地内のキャンプなら100と言われたのだが、なんとか交渉して60で泊まらせてもらった(部屋は300)
ここは三ツ星のゲストハウスとあって、とくにスタッフの黒人青年は朝食やお茶を作ってくれたり電源コードを持ってきてくれたりとすごく親切で、とても気分が良かった。テント野宿派なら超おすすめ。
建物内にあるきれいなバスルームでシャワーを浴びて、あったかい紅茶を飲んで、寝る前に電源引いてPC開いてゲームする。
気が付けば0時40分。気温10度と昨日よりは寒くない。1時ごろ寝る。
走行360㎞。
6月16日。7時半起床。気温7.5度。標高795m。足元が冷える。きのうよりは高いが、やっぱり寒いものは寒い。朝もPCでデジカメ画像編集する。9時20分ごろ編集終える。
宿の青年がささやかな朝食としてコーンフレークとミルクティーをサービスしてくれた。そのホスピタリティがうれしい。ゲストハウスの鑑だ!
風景もいいのでのんびりする。
おかげで昨日と同じく「よし!やってやるおー!」と言う前向きな気分になる。
ヨハネスブルグではウツの真っただ中ですっかり落ち込み、走る気力すらなくなって旅を止めたかったあのころとは全く違う。
南アに限ったことではないが、大都市は殺伐として危険だが、田舎はいい。
我がEストーム125とも来月限りの短いつきあいなので、やっぱり完全燃焼すべきだ、うおーという気概だ。
アピントンの石鹸弁当とホームレス
いよいよ最後の国ナミビアが近づいてきた。
村を出発してから118km、ちょうど2時間で地方都市アピントンUpingtonに到着。
内陸低地のため、夏場は40度以上になり猛烈に暑くなる。
アピントンの街中は、かなり柄の悪い雰囲気がした。治安も悪そうで、人通りや開いてる店も少なく、不気味な感じだった。
なぜか交差点で寝るジャンキー。
アピントンのスーパーのUFOキャッチャーは、笑っちゃうほど無気力だったブルームフォンテンと違い、Yu-gi-oh(遊戯王)のカードセットなど、けっこうそれらしいものが入っていた
街の商店では、ソーセージ料理などの惣菜や弁当も売っている。でも見た目的にも脂っこそうなものばかりだった。
その中で、マトンのハンバーグとウガリのランチボックスというのを買ってみた。200円。
それを買って、ガソリンスタンドの片隅で食べる。
だが、それはまるで石けんを食べてるみたいな味で、もうめちゃくちゃまずかった。
がまんして食べるものの、日本で言う「超メガ盛りサイズ」なので、無芸大食な自分なら普段は完食できても、このときはあまりの不味さに、どうがんばっても4割ぐらいしか食えなかった。
かといって捨てるのももったいないので、残りはちょうど近くに居たホームレスのおじさんに「これ食べる?」と言ってわたすと、受け取ってくれた。うれしかった。
アピントンからナミビア国境へは、オーストラリアのような荒野が続く。
オーストラリアツーリングがなつかしい。
夜、南ア出国。いよいよ最後の国、ナミビアだ。