コルカタ・デリー一気走り1 コルカタからブッダガヤ編

インド2019
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6月21日。ついに出発の日。最後のラストラン。

43日間という、小学校の夏休みのような沈没の日々も、ついに卒業。

これよりインド東部のコルカタから首都デリーまで、インドを横断するかたちで一気走りをする。

6月8日にチェックアウト失敗した時とちがって、さすがにきょうこそは出る気満々闘志むんむんである。と言うかすぐにでも出ないと、デリー到着に間に合わないからだ。

まるでパリダカールラリーのような面持ちである

最後の出発に、宿の仲間が見送ってくれた。うれしい。

これでもう後には戻れない。問答無用でデリーをめざすのみ。

6月21日11時50分、コルカタ出発

しかし出発早々、コルカタの街中でちょっとしたミスで違反をしてしまい、ケーサツにつかまった。手にひらをぱーにして(500ルピー?)出せというが、

私は「どうかごかんべんくだせえ。おねげえしますだ」とひたすら手を合わせて、何とか見逃してもらう。

もういい、とっととコルカタを出よう。コルカタだとすぐPoliceにつかまる。だから沈没中はジクサーには乗りたくなかったのだ。

 

市内からデリー行きの国道2号へ出る道は、紙の地図だけとかだと絶対に迷う。

しかし今回Googleマップのナビのおかげで、すぐに2号に行くことができて、格段に便利になった。バイクでも高度なカーナビができるなんて10年前では想像つかなかった。

4年前も通過した、コルカタのでかい橋

途中インターで迷ったものの、Googleマップのナビ通りに進めば元のハイウェイに復帰できた。それにしてもコルカタの標識はわかりにくい なんで日本のように「国道2号」みたいに直感的に書かないのか。融通利かないぞ。

懸念していた暑さだが、苦行のような暑さかと思いきや、雨期の曇り空なのでそんなに暑くないし、ひたすら快適なハイウェイが続くではないか。シリグリからコルカタの苦難の道中は何だったのだというぐらいに。

いよいよインドの大動脈。西のムンバイ1977㎞ 北のデリー1451㎞と距離が偉大すぎる

黄色いホースはタイヤの空気入れの証。ガソリンスタンドは無料だが、ほとんどが壊れてる。運よくあっても、行列ができてることが多い。有料だが手間賃は5ルピーでOK。

スローパンクチャーなので二日に1回はair注入。

コルカタとデリーを結ぶ国道2号は快適。

エンジンがオイルをくいはじめているので、GSに入り、オイルを買って、注入する。ものにもよるが安いので1L290ルピー。

余ったオイルは、みんな大好きマンゴジュースのペットボトルの中に入れる。Maazaのペットボトルはつくりがしっかりしてるので、オイルがあまり漏れない。

ぼちぼちおなかがすいてきたので、レストランに入る。

これまで寮生活のように規則正しい生活をしていたので、食事はしっかり食べることにする。さもないとコロリと体調が崩れ、そうなるとリミットまでにデリーに到着できない恐れがある。

中庭のようなノンエアコンスペースは、満員。日本と違い、カウンター席と言ったおひとり様席もない。なのでエアコンルームに行けという。
電気が貴重なインドなので、エアコン付きになると値段が違うのが特徴。

インドで見かけた、侍ソース

チキンチョウメンは150だが、ACルームは160になる
ミックスチョウメンだと190が220ルピーになる

料理が出てくるまでにやたら時間がかかるので、インド式のサービスにはかなり不満。三食昼寝付きの日本人ゲストハウスでぬくぬくしてきたのでなおのことだ。

せめて日本やタイみたいにカップラーメンとかスーパーやコンビニの弁当があればいいのに。

どうせチョーメンもカップ焼きそばも栄養学的には同じだ。日本のように、スーパーやコンビニの駐車場でバイクを見ながらサクッとスピーディに食いたい。

チョーメンはセロリのフレーバーも相乗して割とうまかった。が、油っこいのですぐもたれるようになり、最後のほうは少ししんどくなった。

あと、このウェイターはフレンドリーかと思いきや、2本目のコーラを持ってきて、いきなり勝手にフタを開け始めた。

ウェイターの好意でてっきり2本目はタダかと思いきや、勘定の際にしっかり2本分請求された。まあコーラは1本20ルピーと安いからもういいし、それで文句を言うのも大人げないし。でも日本だったら問題クレーム対象やぞ。

インドのこういうところがしんどい。めしを食うのもストレスになってしまう。

 

その後はハイウェイをひたはしる。サイレンを鳴らした車が後から追い越していったが、それはなんと霊柩車だった。
インドでは救急車だけでなく、霊柩車すらも緊急扱いになるらしい

インドの霊柩車は、ガラス張りの透明になっており、いかにも悲しそうに手を合わせてる女性の線画が描かれている。しかもAC(エアコン付)と書かれてるのは不謹慎ながらもうけた。

 

そういえば、自分の子供のころは、金ピカの霊柩車をよく見かけたけど、最近とんと見かけなくなった。バブルもはじけたのと、周囲にとってあまりに仰々しいからだろうな。

快適なハイウェイと工業地帯が続く。18時42分。いとこの家のようななつかしいにおいがした。

夜は恐怖の道

その後、夜になると恐怖の道に変わる。当初の計画だと、夜通しで走ろうと思ったが、とてもばかげていることに一瞬で気づいた。

なぜなら朝や昼間なら80から90キロぐらいで走れたのに、夜になると真っ暗で、乱反射して前が見えん!

かといってシールドを開けると虫が容赦なくバチバチ当たってしまい、どうにもならない。

そんな状況だとせいぜい60キロぐらいしか出せない。いくら高速道のようなハイウェイとはいえ、真っ暗で危険すぎるし、その分何倍も疲れるので、距離を稼ぐとなると非常に効率が悪いことに気づく。

夜は走らない代わりに、朝は早く出発することにする。とはいっても出国日が迫っているので、自らノルマを課してるので 時間管理のマネージメントが不可欠になる。

これまでいかに自分は効率の悪すぎるバイク旅をしてきたかが、よく分かった。

田舎なので非常に虫が多く、野宿はとてもきつい。国道沿いにホテルを見つけたので、一泊900ルピーは高いけど、何とか許容範囲内。これまで沈没生活してたので、その分お金に多少の余裕があるし。

そんなことよりも、ほかに宿を探して、うろうろして時間をどんどん消耗するほうがもったいない。

もうこれまでの旅スタイルとは違う!キャノンボールラリーのように出国までの期間が無いのだ。

部屋もまずまずなのでチェックイン。これだけ高いとそんなに欠点も見当たらないし。

まるでジャングルから帰還した旧日本兵のような警備員兼スタッフ

チェックイン後は、結局部屋からは一歩も出ず。時間がもったいない。

一気走りの初日は、リハビリとして、いいレストランに入り、いいホテルに泊まった。900ルピーで部屋の作りは良く、快適でシーツも清潔だけど、中庭の話声が気になるのと、なにより田舎なので変な虫がドアの下からいっぱい入ってくるのが難。虫が体の上に止まると、気持ち悪い。

23時23分、かすかに雷鳴

コルカタの気温:32.8 28.4 湿度72%

朝 トースト
昼 チキンチョーメン160 コーラ330ml 20×2 税金8
夜 バターナン40 スプライト20
宿  Dhanbad:Maithon hotel #123 900
走行 253km

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6月22日 ジャールカンドからブッダガヤ

5時50分ごろ起床。240Km先のブッダガヤには夕方前には着きたいので、早朝5時前に起きる

・・・予定だったが、昨夜は深夜1時10分ごろ寝たせいか、さすがに寝坊してしまった。
外はもう明るくなっている。エアコンの効いた室温28℃。

残り240㎞はもろもろ8時間かかるとしたら、7時に出ても15時。微妙。
夕方前までには間に合わせたい。

なんと突然大雨が降ってきた。どうにもならんので、潔くもういちどひと眠りする。おかげで目覚めたのが30分後の7時半。

咳が出る。昨日はまだパーリーでの声の枯れが残っていた。栄養バランスが悪いので、せめて果物を買いたい

7時45分、ホテルを出発。まだ雨は少し降りそぼっている。北に2㎞ぐらいにダム湖があるので、「朝飯前ツーリング」としてまずはそっちに行ってみる。

あろうことか途中でエンストする。26日までにデリーに戻らないといけないのに、不安がよぎる。しかしエンストは元に戻った。単に雨水がたまってプラグが濡れてただけのことだろう。

 

雨に煙る小さなダム湖を見た後は、

因みに昨夜のホテルとなりの「Megha Hotel」は一泊600ルピーと安かった。昨夜はこっち泊まればよかったかな

ホテル近くの掘っ立て小屋で朝食にする。

朝食シロップドーナツを食べて、その後らくがんを砕いてその上にカレーをかけたようなローカルフードを食う。チャイ2杯とビスケットで合計50.ローカルプライスだとちと高い気がするが、日本だと80円なので安い。でも栄養が偏るよなあ。インドにいると、とても長生きできそうもない

 

8時35分、いよいよブッダガヤに向け出発。うれしいことに雨も止んできた

途中の町で、マンゴを売っていた。果物屋台は以前はみかんやぶどうやバナナとかだったのが、今はマンゴが旬なので、どこでもマンゴを売っている。3個700gで40ルピー。

無駄に写真を撮ることをやめると、流れが良くなると走ることが楽しくなり、このままずっと走り続けたい!と言う気持ちになる。いわゆるランナーズハイだが、この旅で初めて、最後の最後になってやっとそんな気持ちになった

今までくだらない写真を撮っていた そこでガソリン浴び事件によって、目が覚めた気分だ。
撮った写真は、ほとんどは見返すことはないのに。

ジャールカンド州はガソリンが少し安いが、ビハール州に入るとガソリン代が高くなるので、給油。リッター69ルピー。

 

しかしジャールカンド内でも、ビハールに近いとこだとガソリン代が高くなっていくのか、72ルピーだった。
峠を越える。インド最貧州のビハール州へ

13時50分、ブッダガヤ・パトナ方面の道分岐。出発から234Km。思った以上に進めた。
国道2号は快適なハイウェイだったが、国道から北のブッダガヤの20㎞がしんどい。

しかも天気が急に悪くなり、土砂降り。あともう少しでブッダガヤなのに、非常にくやしい。
大雨になったので、近くのガソリンスタンドに避難。5分ほどで雨が止んだ。

と思ってたらまた土砂降り、雨宿り、また出発したとと思ったらまた土砂降り、雨宿りとなり、結局びしょぬれになる。気温も高いので自分自身が濡れるのは全くかまわないが、荷物とくにハイテク製品を濡らして壊してはいけない。

こうして朝から258㎞走りづめで15時過ぎに、3か月ぶりにブッダシティー・ブッダガヤに戻ったのだった。【つづく】

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