ウドンタニから8時間の列車旅。しかしソンクランの後だと、とんでもない旅でした・・
まずは4/15 出発前日の話。
本当はソンクラン最終日のこの日に夜行列車(134号)に乗る予定だったが、チェックアウト後に夜までどこで時間をつぶすかが問題。とくにソンクラン中なので街をうろうろしてるとずぶ濡れにされてしまう。
夜行列車は宿代が浮く代わりに、椅子席でぜんぜん眠れないうえに早朝5時着なのでひじょーにキツ過ぎる。
よって明日16日の朝の列車に乗る。近隣からのキンキン音は耳栓をすれば解決するし。
帰国日までどんどん残り少なくなったので、これまで獣のようにあてのない無計画な放浪旅も終わりだ。片付けと同時に帰国までのスケジュールを立てて、紙に書いておいた。
明日からは「何時の列車に乗ってどこに泊まる」という旅のプランを立てた管理された旅というのも、メリハリあっていいもんだ。
旅のラストなのでツアー観光客のようにスケジュール通りで動いて気をひきしめて頑張らないと
きょうは時間があるので、今のうちにエアコンの効いた部屋の中で、荷物の中にある溜まったレシートやいらないものを捨てたりしている。
行きの時はスクートなので手荷物は10㎏で重さは気にしなかったが、帰国時のエアアジアで7㎏なので、それに収めるべくリストラだ。軽量化しとけば明日から歩くのが楽になるので、気分がいい。
そして当日。
4/16 Day66
天気:はれ
7時起床。急いでチェックアウトし、駅まで駆け足。
8時16分発のバンコク新駅行きの特急列車(76号)に乗るため、駅の切符売り場で
「クルンテープ(バンコク新駅)、ノンエアコン」といったら
「フル」とか言った。3等列車なのにそんなばかな。せっかくチェックアウトしたのに、これで乗れなきゃ予定が狂う。列車がダメならバンコクへはバスで行かなきゃダメかと一瞬思ったが
きっと駅員は「2等エアコン指定席」の事言ってるんじゃないか?
ということで、後ろが待っていたのでいったんゆずって、もう一度並びなおして
「サードクラスが欲しい」と言ったら、売ってくれた。
行き先はもちろん等級などを英語でいいからはっきり言うか、紙に書いて伝えないとダメだとあらためて実感。
3等でも特急なので244バーツ。行きの3等列車鈍行乗り継ぎに比べて値段が2倍かかるが、8時間でその日の夕方にはバンコクに到着できる特急だ。
プラットホームにはすでにたくさんの人がいて、
乗車してみると大混雑。ノンカイ発の列車は8分遅れの8時24分ウドンタニ到着
列車は行きの時と同じく、高床式プラットフォーム対応の出入り口。最近の北部・東北部行き列車はどんどんそんな仕様に変わっている。
高層ビルも建つイサーンの地方都市コンケン。イサーン=貧しい田舎というイメージを見事に覆す。ウドンタニ駅は昔のままだったが、再開発なのかコンケン駅も高架化している
コンケン駅になると減るどころか一気に増えて身動きが取れなくなってきた。
考えてみれば、タイのソンクランは、日本の正月やお盆の帰省ラッシュと同じなのだ。私はGWやお盆の混雑時を無視した生き方をしているので、これまで無縁だった帰省ラッシュのような混雑に気が付きにくかったのだ
思えばさっき切符買う際に一度「フル」だと言われて断られたものの、このような昭和の通勤地獄的超満員の列車で途中の駅から乗ろうものなら、3等列車でも販売拒否、乗車拒否されてもおかしくないと気づいた。
しかしなぜか時が経つのが速く感じる。ロクに身動きの取れない満員状態なのに、いつもだったら寝てる時間でうたた寝してたのか、きがつけば4時間が経過していた。GPSを見るとすでに300キロ進んでいる。
ウドンタニからバンコクまでは560kmで大阪から東京ぐらいの距離だが、4時間で大阪から名古屋を越して浜松まで来たのと同じだ。あるいは盛岡から仙台を越して福島までの距離。
特急とは言え100キロぐらいの速度で、行きのコラート(ナコーンラーチャシーマー)>ノンカイの各駅停車と同じぐらいの速度だが、特急なので停車駅も少なく、とにかくずっとずっとひたすら突っ走りつづける。
帰りの上り線は、コラート経由ではなく、コラートに寄らずにショートカットするスムーズなバイパス線を行く。
ずっと満員だったが、とくにサラブリーあたりが一番きつかった。全く身動きが取れない。座席に座れない人は地べたに座ってたりで、足の踏み場が無い。
のどかな田園をずっと走ってきたが、バンコクが近づいて来た。ランシットあたりから高架に変わり、一気にアジアの都会の景色になる。
空港のあるドンムアン駅は日本のような高架駅になって、いままでののどかなプラットホームとはまるでちがう。
そうして16時50分、終点のバンコク新駅に到着したのだった
新駅に着いたのは初めてだが、従来のファランポーン駅だと、スラムを抜けて通過待ちで止まりながらじわじわと駅にたどり着くというのが定番だったが、この新駅だと同じ高架上にある駅のため、いきなり到着したという感じだった。
バンコクの新しい駅
長距離列車の終点と始発はファランポーンではなく新駅に止まるようになった
その新駅はバンスーグランド駅Bang Sue Grandだが、最近になって「クルンテープ・アピワット駅 Krung Thep Aphiwat」という駅名に変更。「天使の都・繁栄」という意味。
スワンナブームのエアポートリンクと同じで、新しいけど広告などのない無機質なプラットフォーム
あの旧駅ファランポーンの昭和の上野駅のような古臭いターミナルこそが旅情があって最高なのに
駅構内はこうなっている。
年季の入ったファランポーン駅からすればまぎれもない異世界。人は閑散。このときは食堂なども見られなかった。代わりに自販機に8バーツの豆乳が安かったので買う
旧駅ファランポーンへのシャトルバスは無料
都心から外れた新駅はアクセスも不便ではないか?と思ってたが、そこは良くしたもので、旧駅ファランポーンと新駅バンスー(クルンテープ)を無料のバスが結んでて便利。両駅とも首都高速のインターがそれぞれ近いので快適。
4時半から23時まで、15分~60分間隔で出ている。所要時間20分程度。時刻表などはこちらで確認を
ただ、あとで調べると誰でも自由に乗れるわけではなく、長距離列車に乗る人専用らしい。とはいえ駅から出たのがわかっていたのか、チケットの提示は求められなかったし、ワンマンバスなので満員でなければそのまま載せてもらえそうだが。
バスがインターに入ると、ETCレーンではなく、有人改札だがシャトルバスなので顔パス状態。
こうしてシャトルバスは新駅から17分で旧駅に到着した。
まとめ 感想
これまでいろんな長距離列車に乗ってきた。
3等列車で15時間かけてチェンマイに行ったり、寝台列車に乗ったり。
しかし
この8時間はまるで禅修行のような あまりにも想像を超えた満員列車だった。
一度座ったらほとんど動けず、8時間ずっと座り続け、あまりにぎゅう詰めのため物売りからも何も買えず、ほとんど写真も撮れず、ローカル線ならではの旅風情を味わう余裕は全くなかった。
さらに何も食べず、トイレすら行けず、本当に仮死状態のように乗り切ったのだが、おかげでやり切った感はあった。
もう帰国日も迫っているので、なんとかバンコクに戻れてホッとしている。
朝 コーヒー マンゴ28 マンゴスチン
昼 豆乳8
夜 あんかけきしめん キンパプ カラムーチョ半額12 ミルクタブレット半額5
宿 駅近くのホテル 300 2023年8月10日