10/24
天気:はれ
8:00起床。キャンプ場の駐車場の隅にある緑地にテントを張りなおしたが、誰も来ず快適だった。穴場だった。朝食は、北海道産牛めし重だが、それだけじゃ足りないので、ゆでたパスタめんを御飯代わりにした
さて、いわきから一気に仙台まで行くか。原発エリアなど、ダークツーリズムとして寄りたいところがあるので、翌朝仙台に入るか。そう考えながら、国道6号を進む。
思わぬ失態。荷物の積み方の重量バランスが不安定だったせいか、ちょっと戻ろうとUターンした際に、ついにコケてしまった。国道で初コケ。ナックルガードにキズが付いた程度で済んだものの、穴があったら入りたいぐらいだった。そんなすごい赤恥をかいたことによって、慎重にUターンするよう、慢心せず戒めにしないといけない。
いよいよ汚染地域・ノーマンズランドに突入する。東京から244.4㎞地点から帰宅困難区域となり、軽車両(自転車や人力車、馬車、ねこ車、神輿や山車など)や歩行者はこの先進めない。
そしてこれより一時停止不可能。そのため信号は黄色点滅になっている。緊張の瞬間だ
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そして何キロか進んで、双葉町の中心部のあたりまでくると、異様だった雰囲気も若干様子も変わってきて、なんと人の歩いてる姿を発見。
6国の枝道には行けなかったので、どんな様子なのだろうと左折してみた
すると、ぴかぴかの駅があった。それが双葉駅だった。
見捨てられて荒廃していた6号からここに来ると、駅は異様に新しく改築されたので、そのギャップがよけいに別世界のように感じる
駅には観光案内所のような休憩スペースがあって、電子レンジまであったので、あつかましくも昨夜買った半額弁当をあっためて食べる。ありがたい。
女性スタッフのMさんと話す。この双葉町についていろいろ聞いてみた。
Mさんは富岡町から車で通ってるのだという。常磐線は運航しているので、列車で被災地を訪ね歩いてる若者などが時々この駅にやってくる。地元の人も多く訪ねてくるが、みな顔見知りのようなものだ
15時ごろ、駅前の防災放送からスクリーニングがどうのこうのと流れたが、何のこととMさんに聞くと、屋外に出た住民は、夕方(16時?)に所定の場所で放射線のスクリーニングを受けないといけないらしい。そんな事実なんてMさんから聞いて初めて知ったのだった。おそらくほとんどの日本人はそんな不都合な事実を知らないし、国も伝えないのではないか。
ただでさえコロナで不自由な生活なのに、ここの人たちはさらにスクリーニングにも従わないといけないので、そのぶん自由を失われた状態だ。そのためスタッフの友人たちも含めてこの双葉町に戻る人はほとんどいないのだという。
消えた日常
ゴーストタウンと化した双葉駅前は、東京の商店街のような活気にあふれるような日常というものがまったくといっていいほど消え去り、車もぜんぜん来なく、町の巡回バスのほかは、ときおりパトカーや警備会社の車だけが巡回していて異様だった。このあたりは治安が非常に悪いのだと言って本人も驚いていたが、まさかのどかで平和だった自分の故郷がこんなひどい状況になるとは思わなかったろう。
Mさんと話しているうちに、パラグアイのイグアス日本人移住地の女性を思い出した。そのイグアスの女性も、両親が日本人で、日本語の環境なのに、日本に行ったこともない女性だった
いまの双葉町も、イグアス移住地も、普通の日本とはまったく異なる環境だ。それでも屈託なくのんびりと故郷で生きるイグアスの女性。それがMさんと重なって見えた。
私は日本の普通の観光地やツーリングスポットは興味がわかないが、原発近くの国道6号では負の一面がおぞましいぐらいにはっきりクッキリ残っていて、人間の行いの生々しい醜悪さというのを目の前に突きつけられた。AKIRAにでてくる荒廃した東京のような近未来の悪夢のような景色がまさかリアルにおこるなんて全く思わなかったからだ。
しかし、原発があったおかげで、資源が無くても豊富で安定した電力で大量の工業生産で輸出でき、日本の経済は東洋一の先進国にまで発展し、経済的にとても豊かになり、おかげで自分自身も世界中を自由に旅することができた。
その原発が、福島の土地をめちゃくちゃにした。そのため脱原発の流れになるが、今度はCO2の削減などで、電気自動車が普及すると、より電気が必要になる。太陽光や風力などのエネルギーはいまだ問題も多く不安定で、天然ガスなどは世界争奪戦だ。そしてガスや電気料金などがどんどん値上がりして日常生活が苦しくとなると原発復活を望むことになる。理想論だけでは生きていけないが、かといって死の土地にされた事実を見てしまうと、そのはざまの日本のエネルギー政策は多難だ。
電気になる資源のある国なら電気のおかげで不自由なく工業生産もできて経済発展も維持できるが、日本のような資源の乏しい国では今後、圧倒的に不利だ。試練に立っている。
何がいいのか悪いのか。いや、この圧倒的な現実を前に、いい考えなんてないだろうし、いくらこの惨状を書いたところで、もうなるようにしかならないだろう。
タイやインド以来、ひさびさに旅をしてる気分になった。
そしてこの看板を見た時、いいようのないむなしさと、無力感に覆われた。
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日本史上最大のとてつもない失敗によって、この先何千年、何万年以上にもおよぶ十字架を背負わされたこの町は、今度どう変わっていくのか。
ここにはまた来よう。そして30年後もまた来よう。
もう夜になり、6国のノーマンズランドが終わると、浪江。すぐに道の駅がある。復興建築労働者向けのホテルや宿舎が多い。イオンに入ると、建設作業員や、警察官までも買出しにやってくる。そのためほかの町の店に比べても、雰囲気もどこかちょっとちがう。
ただ一直線に仙台に着いても面白くない。結局、今夜の仙台到着は断念。
宮城県に入り、津波の震災遺構の小学校のあたりはだだっ広い荒野になっていて、そこでテントはろうかと思ったが、あきらかに怪しまれるので、こういうときは困った時の道の駅!令和式にスマホで検索!その結果、一番近い道の駅角田でキャンプすることに。
しかし海辺はそんなに冷えなかったが、山を一本隔てた内陸の角田は、思いのほか冷え込みが厳しく、テント内の温度計を見ると、4℃しかない。あまりに寒すぎて寝袋を出る気にもなれず、トイレにも行けず、腹具合も悪く、ロクに眠れず、ひたすらホテルに泊まればよかったと少し後悔。
朝 道産牛めし重半額250 パスタ麺
昼 かつ丼ミニ半額129
夜 海老舞茸天丼半額229 キャベツ千切り90
宿 道の駅角田の外れの駐車場キャンプ
走行 210km
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