インド一美しいとされるコバラムビーチ。ビキニになれる希少なビーチ。そしていよいよインド最南端へ!
3月4日
9時半起床。南インドはチェックアウトが24時間制なので、ついつい出発が昼過ぎとかになってしまう。
コチのホテルを出発、アレッピーを経由する。
鎌と鎚の赤い舟に乗って、どんぶらこ
南インドのさらに南部、マイソールやケララは毎日のように夕立が降るようになる。6時ごろ急に曇りだし、急に冷たい風が吹いてきた。これは夕立の合図だ!
しばらくして夕立が降ってきた。雨宿りをしようとすると、すでに軒下にはものすごい人、人、人で埋め尽くされていた。ケララ、人多すぎ( >д<)
しばらく走って民家に行くとスペースが。おじさんが「ここにかけたまえ」と椅子に座らせてくれた。
座って雨がやむのを待つが、ただじっとしてるのは時間がもったいない。おじさんに感謝しつつ、雨の中、先へ進む。
しばらくして食堂を発見したので飛び込む。夕食を食べながら雨上がりを待つことに。メニューがないが、ビーフならあるといわれる。ケララに来ておどろくのは、ヒンズー色もほとんどないのでほかのインドの州とちがって屋台や食堂でも普通に牛肉が食べられること。40ルピーと安いだけあって、牛筋やモツや心臓などが入っているカレーだった。そしてパロタもつける。
食事が終わるころにはすっかり雨もやんだ。雨宿りできた上に名もない食堂で空腹も満たされ一石二鳥、しかも雨上がりの道路は澱んだ空気を洗い流してくれてさわやかで清涼で気持ちよく、気分まで晴れ晴れしてくる。メリハリが着いて悪くないなと思ったぐらい。ただ雨季になって立て続けに雨が降ると、こんな余裕は一瞬でなくなるけど。
今日は全然進めていないので、夜通し走り続け、ケララ州都であるThiruvananthapuramティルヴァナンタプラム(旧名トリバンドラム)を目指す。この地名、早口言葉か!?そんな覚えにくい地名じゃ観光客がやってこないぞ。なのでここではトリバンと略す。
夜道を独走するのは危険なので、バスの後ろにくっついて70km/hで走っていると、後ろからスクーターに乗ったおばさんが猛烈な勢いで追い越していってあっという間に消えていった。スクーターに乗った女性はゆっくり走ってることが多い中、このカッ飛びおばさん、勇ましすぎる。
それでもバスの後ろにくっついて走り続けていたが、さすがに集中力が途切れたので離脱。トリバンの手前15kmぐらいまで来たので、商店の軒下に野宿。近くではワゴン車の陰で、仕事前であろうスタッフ3人が野宿していた。
インドでは貧民はもとい、普通の庶民でも、あたりまえのように野宿をしている。インドは野宿超大国だ。1時半寝る。
走行255km
海辺にたたずむ謎の女の像。さすが自由なる南インド。
謎すぎる力士。といってもモチーフは、いうまでもなくあの小錦。ひざのテーピングまで再現!
力士と赤いTマークの日本コンビ。
それにしても白く光る小錦は、まるでガルーダみたいや(笑)
3月5日
野宿の朝。店の前で寝ていると7時ごろ店員がやってきたが、眠いので場所を変えて寝なおし、8時起床。蚊のクリームODOMOSを塗って寝てみたら、全然刺されなかった。もっと早く知っておけばよかった。野宿には欠かせなくなるだろう。
トリバンドラムはケララの州都だが、コーチにくらべて特に取り柄のないこじんまりとした地方都市だった。やはりコーチが断然、近代的な都市だった。
そのかわりきょうは祭で、町中の女たちが道路の前に出て、それぞれの土鍋で煮炊きの準備を始めている。道路沿いには何万人もの女たちが延々と続いているので圧倒される
いっせいに煮炊きが始まると、市内はものすごい煙でいぶされる。
トリバン市内の迂回路や混雑のため、コヴァーラムビーチについたのは昼ごろだった。海はまあきれいだけど、ゴアを地味に静かにしたかんじ。そろそろオフシーズンなので閉店してる店もけっこうあって活気が無く退屈そうで、すぐに最南端へ向かう。コヴァーラムは次回来るときがあればのんびりしたい。
ところでこちらは青い空と海。さっきの煮炊きして空気が汚い写真とはえらい違いである
これだけの波があれば、インド人はサーフィンをしないのだろうか、と思ってたら、やはりサーフィンのスポットらしく、ちゃんとサーフスクールもあるようで、砂浜ではボディーボードのレンタルもあったのでやってみたかった。
最南端到着へのカウントダウン
14時35分、コヴァーラム発。最南端のカニャークマリまでついに100km。日没にあわせて到着したいのでタイムリミットは4時間。だがどうなるかはわからない。
カニャークマリの標識をフォローしながら進むと、狭くて走りにくい州道がずーっと続くので、左折して並列に併走する国道へ。
常夏のケララとあって、商店には黄色い普通のバナナに混じって、赤褐色のカスタードバナナを見かけるので食べる。
普通のバナナは一本3ルピーだが、カスタードバナナは10と高級品。ねっとりしていたが、思ったよりもそんなにうまくなかった。ほどよく熟した普通のバナナのほうがうまい。まだ熟してなかったのかもしれないが。
それにしてもマンゴジュースとカスタードバナナは南国らしいおやつ。
最南端まであと55kmぐらいの地点で、州境。ケララからTN(タミルナドゥ州)にはいると、共産的なオブジェやプロパガンダポスター、赤旗などは一切見かけなくなったが、かわりにTNの生き神様なのかカリスマ政治家なのか知らんが、おちょぼ口のおばさんのポスターが目に付く。トラックやバスのやかましい爆裂メロディホーンがまた復活して非常に不快。ケララでは爆裂ホーンは禁止されてたのかもしれない。
これよりタミルナドゥ州
この路地がケララとタミルナドゥを分ける州境らしい
カラフルだったり奇妙な建物が自分の視界に入ると、いちいち撮ってしまい、わざわざUターンしてまで撮ったりするので、「3歩歩いて2歩下がる」を地で行っているので全然進めず、やばい、このままだと日没になる、と焦り始める。
最南端まであと36kmの地点で、日没まであと1時間しかない!ここからは無駄に写真を撮るのをやめることにする。
最南端まであと20kmで、混雑するナガコイルの市街地に入ったが、無事突破。
最南端まであと10km。きのうのスクーターおばさんのように、片っ端からぶち抜き追い越しまくる。
最南端まであと3kmぐらいの地点で、なぜか急に高速道路になる。ここで眠っていた興奮が一気に大爆発し、「うおおああああ!!!」とハンマー投げのように腹の底から死ぬほど絶叫!スロットル全開!スピードは100km/h近い。
「ついに海が見えた!!」
カニャークマリの町に入ると「サンセットポイント」の標識があったので、迷わずそこへ行く。
西に進路をとると、沈み行く赤く美しい夕日が見えた!
押し寄せる感動に、もはや人間ではなく野性。うあああと気が狂った動物のように叫びつづける!喜びを大爆発させている自分がいた。目には泪がにじんでいる。
2015年3月5日18時23分。ついに最南端に到着!
サンセットポイントはゴミだらけで汚かろうが、物売りがやかましかろうが、ここがとにかく感動のゴールなのだ!
18:36
18:54
日が沈む反対側に、満月がのぞいて来た。まさに最南端到着にふさわしい。
この最南端を目指すために!
10年以上前からインド一周計画をし、そして昨年インド行きが決定し、2015年の元旦の日にデリーを出発して64日、10254kmの道中、どれだけ苦労してきた事か!
デリーは北緯28度、この最南端は北緯8度。緯度的には北海道宗谷岬から沖縄本島南部までの距離なので、その苦労を乗り越えて到着したのだから、感動もひとしおである
荒波を見ていると、真っ先にアフリカ最南端のアグラス岬を思い出したが、やはりインド亜大陸最南端のほうが断然達成感がある。しかし、かつて見たアグラス岬には、インド洋ひとつでつながっているのだ。
走行205km
さあ、無事にゴールのひとつにたどり着いた!そして次は、新たなステージが始まる!