海外ツーリング研究家のたびいちです。
これまで6大陸を単車で走ってきました。
昨年もインドを一周してきたので、
それら合わせると合計5年の海外経験になります。
だけど、今日のタイトル!矛盾してますね。
そうです。
海外ツーリング研究家ではありますが、
海外ツーリング推進家ではありません。
私のライフワークである海外ツーリングは、
安易に人には勧められんのですよ。
なので
「海外ツーリングに行くかどうか迷ってる」
と言う人がいたら、
「迷ってるんだったら、やめれば?迷うぐらいなら行かないほうがいいですよ」
と言います。
迷ってると言う事は、「何がなんでも絶対に行く!」という鼻息の荒い熱意とカクゴが足りないということです。
なぜそう言い放つのか?
それは、海外で事故したり死んだり国際問題になってしまっては、責任取れんのです。
たとえば以前、松尾清晴翁が
「自己紹介ならぬ事故紹介」
と称して
世界一周中にアラスカで大事故にあい、ヘリコプターで搬送され入院治療に740万円かかったといっていた。医療費は旅行保険でカバーできたけど、旅行保険の期限が切れてたりしてたら、自腹を切っていたかもしれない。
その事実を聴くと、
大抵の人はドン引きして尻込みするんじゃないでしょうか。
一つ運がよければ無傷だったかもしれないし、一つ運が悪ければ後遺障害がのこったり、死んでいたかもしれない。
しかもなにせ740万円といえば、小さな家が一軒買えるぐらいの金額ですからね。
ほかにも実際あった事件では、
海外ツーリング中にシベリアで野宿中に殺害さる。
世界一周中にタンザニアで暴走バスに激突されて、即死。
シベリア野宿事件の時はニュースになりましたが、
タンザニアの事件は、ほとんどニュースになっていません。
そのほかにも、海外ツーリングに出た人は、結構な確率で事故にあったりしています。
南米では追いはぎにあって身包み剥がされた人もいます
命の保証はありません。
それでも責任を持って、
海外ツーリングを人に勧めるカクゴはありますか?
自分の経験からすると、極端な話になるけど、
海外ツーリングは、戦場カメラマンや戦場ジャーナリストを勧めてるのと、10歩100歩だと思う。
「ボクは戦争カメラマンになろうか、迷ってます。アドバイスください」
なんて言われたら、みんなから
「危ないからよせ」 「行くな」と言われるに決まってる。
それでも戦争カメラマンになりたい人は、現状の地位に満足できず、家族や周囲の反対を押し切り、「強烈な情熱と衝動」に突き動かされて、自然と計画してカメラや機材を揃え、黙って日本を出国して、密入国したりして戦場に行くわけだ。
もちろん、戦争カメラマンと海外ツーリングはまったくコンセプトは違うけど、危険度にかんしては
戦場カメラマンほどではないにせよ、危険やリスクが多いのは確かです。
海外ツーリングは冒険か?
海外のリゾート地でレンタルバイクを乗り回す程度や、短期間のレンタルバイクツアーなら、冒険じゃないと思うけど、自分の意思で何ヶ月以上も海外をバイクでJourneyするとなると、大冒険です。
海外でも「日本のように安全運転すればええやん」と思う人もいるかもだけど
それはちがう。
たとえば「高速道路を逆走」と言う事件があった場合、日本ではニュースで大騒ぎになるけど、インドでは高速道路を逆走する車なんて、当たりまえです。
では、出会ったらどうするか?
日本のように「逆走する車が悪い!」といって、そのまま突っこむと、あなたは死にます。
となれば、ただよけるしかないんです。
なので、日本の交通常識を持ち出してしまうと、逆に危険です。海外を走る場合は、思考のローカライズと、柔軟かつ大胆な運転技量も必要です。
日本の無駄な常識は持ち込まず、現地に適応しなければなりません。
ということで、残念ですが、
海外ツーリングは生半可に勧めません。
というか勧めたくありません。
その代わり、かつての私のように、
「とにかくいきたくてしょうがない!」
「何が何でも世界一周してやる!」
と言う心からの情熱・熱意のある人だけが、力いっぱい世界に飛び込めばいいのです!
https://tabi1.com/not-easily-recommend-world-touring-2