カンボジアの海の町・シアヌークビル。パタヤのようなきらめくビーチライフを期待してやってきたものの、そこに待ち受けていたのは、思いもよらぬ姿でした。
乗っ取られた安宿 ぬりかえられる街
シアヌークビルでは、海に近い場所にカオサンのような安宿街があるというので、バスステーションから歩いて、西へ向かう。
ドルフィンロータリーを過ぎ、公園を過ぎて、さらに進むと安宿街になる。歩くとかなりの長い道のりだった。
しかし、そこで目にしたのは想像以上の信じられない光景だった。
果てしなく続く中国語の店。シアヌークビルのカオサンともいえる安宿街も、7割がた中国の店に変わっており、かろうじて残る西洋系のバーやレストランなども開店休業のような状態。
海の見えるメアリーチェンダという安宿も、中国人向けの宿に変わっていた
おそらく金で建物丸ごと買い叩いて、中国人用の宿舎に替えたのだと思う。
街が踏みにじられたかのような状態なので、あとで調べてみると、中国からの港湾設備やリゾートなどの急激な開発が進むシアヌークビルでは、地価が何倍も高騰しているらしい。乗っ取られぶりは、バブルのころの地上げ屋を思い出した。
かの国の男はというと、そこらへんつば吐いたり、シャツをまくり上げて腹を出して歩いてたりする者も少なくなく、本当にだらしがなくみっともない。
今までに見たことがないくらいな想像以上のインベーダーによる町の変貌ぶりは、まるで悪い夢を見たかのような気分になり、顔がみるみる引きつってしまう。
たとえば池袋にいる中国人だと、かれらにとって日本は最強に風当たりの強いアウェーということもあって、ここよりはおとなしくちゃんとした印象だけど、カンボジアのような発展途上国の場合は、親中国路線のために中国からずぶずぶの援助づけにされる代わりに、我が物顔でとことん露骨に食い物にされているのでおそろしい。
想像を超えるスピードで植民地化されていく現地のカンボジア人はどう思うのだろう。
カンボジアに「第2のマカオ」誕生か、中国投資が加速
https://jp.reuters.com/article/cambodia-politics-china-idJPKBN1EF1GP?rpc=122
かろうじて残っている古くからの安宿も、すべて満室だし、仮に泊まれたとしても値段は10ドルするという。
奇怪だったのが、メアリーチェンダだけでなく、オカタホテルも閉まってたし、マリーナホテルも工事中だった。ほかの宿やレストランなどもどんどん中国向けに建て替えていくのだろうか。
せっかく海の見える街に来たというのに、安宿はうばわれ、マナーの悪い人間を見せつけらても全くもって楽しめない。ガックリや失望を通り越してしまうぐらいの衝撃的なザマだった。
宿探しに大変苦労する
旧安宿街から、再びバスステーション方面に戻る。バイクタクシー1ドル。周辺の宿をあたっても、ないとかフルとか20ドルの部屋しか残ってないとかメイヨー(没有)とか言われる。ボクハニホンジンナンデスケド・・・
荷物を背負って何軒も断られながら炎天下に歩き続けるのは、もう体力の限界なので、レンタルバイクが借りれるのを思い出し、またバイクタクシーで旧安宿街まで戻る。安宿街ちかくの公園まで3000Rで連れてってもらう(※後日知ったが、レンタルバイクはバスステーション近くでも借りられる)
しかしレンタルバイクでも苦労した。店の前にFor Rent Motorと何台かバイクがあっても、先客が予約しているとか言うわけわからん理由で借りるとことができない。ここに来てからあまりに理不尽なことばかりで心が沈んでいく。4件目にあたった店で、やっと借りれた。1日のレンタル代金は、他より1ドル高い6ドルだった
これで宿探しも楽になったものの、このあとフェリーターミナル付近で部屋を探すも、だいたい25~30ドルと、とてもじゃないが払えない。何軒かあたって、一番安い部屋でも18ドルするという。宿代の高騰ぶりはすさまじい。
そこでまたまたバスステーションのあたりに戻り、くまなく探すと、ダイヤモンドホテルという地元民向けの宿があり、窓のない穴蔵のような暗い独房部屋だが、
交渉して10ドルでいいというので、一番安いからもうそこに即決。10ドル出せば、5年前ならシェムリアップとかだと、かなり広い明るい部屋に泊まれお釣りが来たのに・・
ともあれ何十件もあたってやっと部屋が見つかり、文字通り肩の荷が下りた。
シアヌークビルには宿がないので、予約すればよかった・・
ということで、何十件も当たってボロ宿に泊まらざるを得ないのは想定外だった。
シアヌークはバブリー地上げ状態なので、前もってBooking.comで予約したほうが意外と安いし得策でした・・・・。
夕日を見るも
夕焼けを見にそのままスクーターでビーチへいく。パタヤのジョムティエンビーチに似ているが、白い砂浜で、思った以上に海水はきれい。パタヤよりも断然海水はキレイだ
ロシア人が海水浴している。桟橋上ではカンボジア女子たちがセルフィーしている。
しかし、桟橋の右側にいこうとろうとすると、警備員が「だめだめ、ここから先はホテル宿泊客専用」と言われる。(とはいえ、後日入ったら問題なく入れた)
日本の場合、海は公共財産、みんなのものという概念がある。金持ちだろうが貧乏人だろうが、どこの砂浜にも出入りする権利はある。しかしシアヌークビルでは、プライベートビーチとして金のあるやつ以外は出禁という考えは、日本人として極めて不快である。
建設中のビルが見える。ビルの看板に書かれてる文字・簡体字を見ると、あっという間に現実に戻されるビーチ
そんなわけで、パタヤとちがって白けてしまう。たとえきれいなビーチでも、今日一日の理由で、まったく心から楽しめない。
シアヌークビルは10日ぐらいいる予定だったけど、安宿街はうばわれたし、赤だらけだしお金もかかるしガックリの連発なので、4泊ぐらいして月曜日の列車でプノンペンに行こう。
金にものを言わせて、現地の人と調和するどころか、追いやるようなやり方を見てると、非常にはらだたしい。
ネットで調べてみると、シアヌークビルは乱開発と高騰のため、もはや西洋人はケップやカンポット、そしてココンに逃れているという。ケップは泥海らしいが、ほかは海がきれいだというし。
ココンはてっきり何もない街だと思ってたけど、レンタルバイクの店を探してココンビーチに行けばよかった。
暗くなったので、バス駅周辺戻って夕食。地元向けの食堂。
カンボジアでは年中、節分豆(右)が売られている。ほんのり味付けされている
朝 ウェハースなど
昼 ブロッコリーと豚肉めし5000
夜 バーイサッチュルーク 4000 節分豆1000 ポテチ30g 2000
宿 ダイヤモンドホテル $10