海外で症状が悪化し、タイとインドで手術したというレアケースに遭遇。どこの病院に行けばいいか?どれだけ痛いか?そもそも手術は必要か?
そんな事態に備えて、海外旅行する方はぜひこの記事をお役に立ててください
追記:虫刺されぐらいなら手術するな!手術が失敗な理由
まず、結論から言うと、手術をして大後悔しました。
虫刺されが悪化したため手術を受けたわけだが、その選択は大失敗かな、と思う。ではなく、大失敗でした
なぜなら激痛がしても、所詮ただの虫刺されなので、薬局で市販の薬や、抗生物質等の塗り薬などを処方してもらえれば、それで十分治ったとおもう。
実際日本に帰国してから、看護師の友人からそう言われたので、それを聞いたときは面倒な思いして手術したことに、本当に後悔した。
薬をぬってももしだめで悪化の一途をたどるなら、切り札として手術すればいい。
なぜならそこはアフリカの秘境のジャングルの中でもなく、薬局がそこいらじゅうにあるタイのパタヤなので。
どちらにせよ、海外で病気や手術をした時に、日本にいるときよりもいかに不利になるかを痛感しました。
日本だったら、完璧に日本語で話し合えるし症状などを具体的に理解できるけど、お互い下手な英語だけだと、コミュニケーションが不足してしまい、あとあと厄介になった。
そして大きな問題が・・・
今回やぶ医者にあたったことと、定住ではなく旅先なので、次から次へと場所が変わるので、次の診察はどこでどうするか?などの問題もある
なので、虫刺されぐらいなら安易に手術してはいけない!
「虫刺され」から「手術」までの実録
今回1月のタイ旅のどんでん返しの大イベントとなってしまった、手術事件。
この忌まわしき「手術事件」の発生から完治まで時系列でたどります
2019年1月10~11日ごろ
日本からタイに来て、初日か二日目ぐらいに、変な虫に尻を刺される
1月13日
尻を刺された瞬間は別に痛みもなく、とくに気にならなかったが、このころから尻が痛くなってゆく。ハチか何かに刺されたのだろうか?
1月16日
バンコクからパタヤに到着した。なんか体がだるい。微妙に寒気。真冬から真夏の環境に変わったのがあるだろうが、おまけに刺されたところが痛く、腫れている。腫れている部分は固くなっている。
そのため結局ホテルから一歩も出ず。
明日からいろいろ動きたいが・・
焼けつく激痛の一夜 おのれの体のひ弱さに嘆く
1月17日
昨夜は22時ぐらいに寝て9時半ごろ起床したが、シリの腫れたところから、焼けつくような激痛がして、ロクに寝られず、拷問のようにのたうちまわる一夜だった。日が出てきたころにようやく痛みが和らいで寝れた。
せっかくのパタヤライフも激痛だと台無し。前回のタイ旅も虫にやられて散々な目にあったのに(しかも動画を上げると酷評されるし)
今回もちょっと虫に刺されたぐらいで化膿して痛い目に合う、そんなスペランカー並みの己の体の意外なヨワヨワぶりに自己嫌悪。
思った以上にひ弱すぎて、もはやタイに向いてないのかもしれない。
日本にいればこんなことにはならなかった。「海外旅を控えろ」という暗示のように見えてならなかった。おちおちパタヤのビーチで泳ぐこともならず、暗い気持ちになってしまうのだ。
薬で済ませるか?病院に行くか?
そして、今回の重要な岐路となったのが、昨夜のあまりの痛さに耐えかねたので、これから病院に行くか?薬局の薬で間に合あわせるか?ということ。
どうすればいいか、まずはネットで調べてみたものの、薬だけで治した話と、病院へ行くべきという話もあり、決めかねるところ。
朝には寝れたので、夜中が痛みのピークだったのかもしれない。
ただ、楽天カードの海外旅行カード付帯保険が適用されると思うので、薬局で薬だけ買うと自腹になってしまうかもしれない。それだったらちゃんと原因を解明すべく、病院(クリニック)へ行くことにした。
パタヤのやぶ医者クリニックへ
まずはレンタルバイクに乗って、近くにあった適当な医院に行くと、「それはここではなく、べつのクリニックに行きなさい」と地図を書いてくれた。
その某クリニックに到着すると、奥の部屋に案内され、50代ぐらいの先生がいて
「症状は?」
と聞かれ、尻をめくって症状を見せると
「これは、注射と、切開手術をせんといかんな」
と英語で言われ、戦慄する。
なぜなら、虫刺され程度なら、薬を処方されて終わりかと思ってたからだ。
※今思うと、この時点で断るべきだったのだ。「ちょっと待って、まずは薬で治してみて、ダメだったら治療する」と。
いくらぐらいかかるのかと聞くと
「2000バーツには収まる」とのこと。
保険も適応されると思うので、軽い気持ちで手術を受けることにしたが、まさかこれが苦痛と災難の日々になるとは夢にも思わなかった
パタヤの手術
その後、隣の部屋に移される、診療台なども、小学校の理科室のように古い。
うつぶせにされて、麻酔注射と手術をされる。昨夜の焼けつくような痛みの2倍増しの痛さである。
うつぶせになって見えないのだが、ウミとなった患部をえぐりだす手術をしているらしい。これ自体は麻酔などのせいか、そんなに痛くはなかった。
見た目が、小学生の男の子みたいにかわいいトムボーイの女子が助手なのだが、消毒や包帯を貼るためにその助手にシリをまさぐられると、なんともいたたまれない気分だ。
薬をわたされる
処置後、患部への塗り薬はなく、飲み薬として、抗生物質と、炎症を防ぐ薬と、痛み止めをわたされる。
お代は2000バーツぽっきり。人件費の安いタイだから1000バーツ以内で収まると思ってたたら結構高い。公立の病院だったら安いかもしれないが、待たされるかもしれない。
出血大サービス事件
その日の夜、切開したせいか、大量に出血したようで、いくらガーゼで塞いでも、そこから漏れた血液と体液で見事に汚れている。
幸い、汚れた半パンなどを湯と洗剤擦り付けて洗濯したら取れたので、シミにならず良かった。しかし生臭い臭いはなかなか取りづらかった。
傷口には、トイレットペーパーとガムテープで代用しているが、生理用ナプキンのほうが効果的かもしれない。
実際、お金のないタイ人はそうやってるんじゃなかろうか。
1月18日
シャワーを浴びるべくガーゼをはがすと、細長いガーゼがびろーと出ている
切開して穴の開いた傷口にガーゼが詰まって埋めていた状態だった
はさみを持っていないため、どうすることもできない(フロントで借りに行くのももめんどうだ)
明日、またクリニックに行って、とりのぞいてもらおう
せっかくパタヤに来たのに海で泳がないのはもったいない。またクリニックに行かんとならん。気分ガタ落ち。
1月19日
もうやけくそになってパタヤの海で泳いでから、再度クリニックへ行くと、二度目の担当は医師ではなくおばさん(医師の奥さん?)だったが、この女の治療がとてもひどくて、麻酔なしで詰め物されたので、叫ぶほど死ぬほど痛かった。前回の激痛の比ではない。麻酔という英語やタイ語を知らなかった。
異国での手術は本当に失敗。まともにシャワーも浴びれんし、なんでこんな目に合わなければならないんだ。
手術後の通院となると、旅先なのでかなり面倒でしかもめちゃくちゃ痛く、気分が奈落の底のようにガタ落ちだし、ほかにも別の災難にあったりで、楽しいはずのタイ旅が一転して台無しになり、苦痛になってきた。
1月21日
パタヤ最後の日。傷口が痛み出したので、やはりクリニックに行くことにする。薬も足りなくなってきたし。
バイクタクシーで病院へ。そこにいたのは、あのおばさん。しかし麻酔はしないというので、断る。ではほかのところでもいいのかと聞くと、「べつにどこでもいつでもいい」とかぬかすので、明日チェンマイの日本語の病院に見てもらうことにする。
どれだけ痛い目にあったのかわからんのか。店を出た後、そのおばん医者のやぶ治療と、他人事のような適当な対応に、あとになって怒りがふつふつとこみ上げてきたのだった。
チェンマイの日本語対応病院へ
パタヤからバンコクに戻り、その日のうちに夜行列車でチェンマイに翌日やってきた。
チェンマイで早速向かったのは、日本語通訳のいるチェンマイラム病院。院内は撮影禁止。
そこは最新かつの北タイでも最大級の病院で、日本語の話せるタイ人女性通訳が、日本語で応対できたので、しっかりコミュニケーションが取れて、それだけでも本当に救われた気分だった。
医療において言葉が通じるという安心感は計り知れない。手術という大事な場面において、言葉が少しでもかみ合わないというのはコリゴリだ。
縫合手術を受けた!
通訳さんの話だと、その日のうちに早速再手術を受けることに。手術室では、通訳と付きっ切りで見てくれるので、本当に助かる。
麻酔注射が痛かったが、縫合しているときの痛みはそれほどひどくはなかった。麻酔を希望次第で何本でも打ってくれるようだ。ただ、多少の痛みは「ガマンしてください」と言われる。
縫合手術が終わり、あとでそこを見ると、尻がフランケンシュタイン状態になった。
よく「事故で何針縫った」というニュースを聞くが、まさか自分が縫うほどの傷をするのは、人生初めてである。
術後はちくちく痛む。
しかし日本語のできる通訳が本当に助かる。2~3週間後に抜糸手術を行うようにと言われる。でもそれが過ぎれば、あとはOKらしい。
料金は7000バーツとパタヤのクリニックに比べると超高額。でも楽天カード付帯の旅行保険が適用されるはずなので、書類はしっかり取っておく。楽天カードで決済。
1週間分の抗生物質や痛み止めなどの飲み薬と、5回分のガーゼセットをわたされる。ガーゼを留めるテープは別途薬局で買うようにとのこと。テープは50バーツ。
バンコクの大病院:バムルンラード病院
チェンマイからバンコクに戻り、有名なバムルンラード病院に行く。
カオサン方面からだと、運河のボートで13バーツほどで行くことができる。NANA停泊所で降りて南に歩くとたどり着く。
1週間分もらった薬が足りなくなったので補充するためと、まるでホテルのような豪華な病院だというので、どんなすごい病院なのかネタのために見たかったからだ
そのにあったのは、噂通り、まさに高級ホテル。日本の病院のイメージとは全く違う。
そして10Fに行くと、なんとスターバックスもあった。チャドルを着たアラブ女性が多く歩いている。その異次元空間のような非現実感が、まるで少し夢を見てるような不思議な雰囲気だった
日本人のほかには、主にアラブ人も利用する。アラブ人街が近いからだ。
日本人センターに行くと、日本語の話せるタイ人スタッフが何人もいた。
「追加の薬が欲しい」というと、「抗生物質などは医者の診断が必要なため判断できない」とのこと。カルテが無いため、チェンマイのラム病院に連絡&カルテの確認を取ってくれた結果、追加の薬は必要ないとのこと。特に支払いは無し。
なお、縫合後はずっと尻にガーゼを貼り付けるのだが、縫合した糸の出た部分が、針金のように固くなるため、ガーゼだと引っかかって痛いので、ティッシュのほうがいい。
インド編・デリー・グルガオンでの治療
そして舞台はタイからインドへ。
チェンマイの縫合後の2~3週間後に抜糸する必要があるので、そうなると私のスケジュールの場合だと、デリーで抜糸することになる。
2月にタイからインドにやってきて、デリーでは、スルタンプルに日本人会事務局のあるビル内に「ひまわりクリニック」があるというので、電話して、折り返し連絡を受けたところ、そこでは抜糸はしていないという。
https://himawari.clinic/delhi/index.html
その場合、日本人の利用する病院は、フォルティス(Fortis)か、MAXという病院があるとのこと。
ちょうどそのころ西遊インディアに行くと
「Japanese Help Desk:病院の通訳同行サービス」というパンフレットを発見。
日本人でも利用できるよう、病院予約・同行、通訳、お薬の手配、健康診断のなどを押さえてくれる、主に駐在員向けのサービスだ。
通訳代だけでも一回3000ルピーかかるが、もちろん旅行保険でカバーできるし、キャッシュレスでも支払いできるらしい。
日本語通訳サービスに電話し、病院へ
2月6日水曜日夜に電話すると、日本人スタッフが出てきた。そこで抜糸手術を「9日の土曜日の午後」を希望したところ、折り返し電話が入り、担当医師は土曜日午前10時になるとのこと。その15分前にはフォルティスにお越しのこと。
なお、フォルティスとMAXこの二つの病院は、デリーメトロ終点のHuda City Centerを降りてすぐにある。フダシティーの駅に近づくと列車の中からもFortisの文字がでかでかと見えるほど。すぐにわかった
メトロ駅出て目の前に大病院がある。日本人駐在員御用達だ。
陸橋をわたり、9時49分ごろ、病院に入ってすぐ右手にジャパンデスクがある。なんだか面接に行くような面持ちで病院に来ると、名前を呼ばれる。
この時は電話した時の日本人スタッフではなく、二人の日本語のできるインド人通訳・シーベンさんとニキータさんがいた。これから手術なので最初は緊張する。
2月9日・最後の手術・抜糸
しばらくかかった後、いよいよ手術室へ。
下はパジャマのようなものに着替える。着替えると、医師やスタッフはみんな出てしまう。なんか立場的に微妙。
担当したのは、眼鏡で背の高い医者。そういえばチェンマイの縫合もグルガオンの抜糸も、担当医者はなぜか背が高い。
縫合からもう3週間たってることもあってか、抜糸しても問題ないと医師の弁。
消毒が沁みるので、不安になるが、時折気持ちいい。
チクチクっと痛みはしたけど、もうそれで終わりのよう。すでに抜糸を終えたようだ。
糸は針金のように固くなってたので、かなり痛いかと思いきや、麻酔を打つまでもなかった。
「え、もう終わったんですか?」というあっけにとられる気分。
キャッシュレスなので支払いはないが、明細をみると、抜糸手術は4000ルピーぐらいらしい。
キャッシュレス払いの方法
キャッシュレスの場合、クレカ番号や年月はもちろん、クレカ番号の書いてある領収書が必要と言われる。
その場合、タイライオンエアで予約した時に届いたメールは
通信相手は:「2c2p.com」
件名は:RECEIPT FOR YOUR PAYMENT TO Thai Lion Mentari Co.,Ltd.
このレシートメールを、ジャパンヘルプデスクに転送するだけでOKだった
メールでも、クレカ番号と領収先が判ればよいとのこと。
しっかりクレカ付帯保険が適用されてるようで、一安心。
抜糸後
何日かすると完全に傷口ふさがり、2月18日ごろにはガーゼを当てる必要は無くなった。
2月22日現在、傷跡もまだ残り、時折違和感があるものの、日常的にはもう問題なし。
追記:1年経ってもかゆい!その顛末は
しかし、その後、傷あとがケロイド上になり、かゆみがおそってきて、1年以上たった今でもかゆさに苦しんでます
その後の顛末は、こちらに書きましたのでご覧ください
結論 病気になったら、絶対に日本語の通じる病院に行け
タイで病気になった場合、こういうローカルのクリニックには行ってはいけない。
当たり外れが大きく、初診したパタヤのクリニックは、対応がとても悪く、あたかも他人事のような対応を見て、医療倫理に著しく欠けると痛感した。
その点、チェンマイのラムチェンマイ病院や、バンコクやグルガオンの病院は日本語も通じ、誠実で満足だった。
英語だと、お互い完璧ではなく、コミュニケーションの不足があるけど、日本語なら、こまかい症状などを具体的に交渉することもできるからだ
その分高額になるだろうけど、旅行保険のある人なら問題ないわけなので、日本語の通じる病院に迷わず行きましょう。2月22日 14:26