青森ねぶた2007 ねぶたブートキャンプ O carnaval de Japão

国内ツーリング
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さあ、来週から青森では「ねぶた祭り」が始まります!そこで、2007年にたびいちがねぶた祭りに参加したときの記録を紹介しますので、是非お役立てください!

復刻版!ねぶたブートキャンプ2007!

 


ねぶたブートキャンプ

 O carnaval de Japão

この夏、ねぶたブートキャンプに入隊します。
ねぶたバージンの自分にとって、文字どうり新兵訓練所!
駐屯地ではその名のとおり、キャンプ生活。
自分は跳人歩兵団に配属であります。 停止・早送りボタンは押せません。

ねぶたのビリーからグッジャブといわれるよう死力を尽くします。

では、出征して参ります。

ねぶた東北野宿ツーリング

ルート図の内訳

8月2日  (自宅)>太田>大間々>R122>日光>R121>田島>会津若松>米沢>R13>南陽>山形

3日  山形>R13>新庄>R47>清川>R345>吹浦>R7>秋田

4日  秋田>R7>R285>北秋田>大館>R7>碇ヶ関>県道13>黒石>青森

5日~7日  青森市内

8日  青森>県道26あすなろライン>五所川原

9日  五所川原>県26>青森>十和田湖

10日  十和田湖>鹿角>R282>安代>盛岡>県道13>胆沢広域農道>前沢>R4>栗原

11日  栗原>R4>仙台>R6>相馬>県道34.35>いわき>R6>水戸>柏

12日  柏>浅草>日本橋>新宿>(自宅)

 

みちのく貧乏ひとり旅2007
ねぶたで君も熱く死のう!

8月2日

ああだこうだと旅の準備をしてるうちに時間が過ぎてしまい、なんと夕方18:13に自宅出発。 450マイル、二百里の先にみんなが待っている!さあ、北へ行け!夜道を激走!21:00に日光。自宅から119km。23:22に会津若松、245km。25時43分頃山形市内に到着し、市内近郊の丘の上の公園、鈴川公園の駐車場で野宿。

走行364km。

8月3日

7時30分起床。山形のおッちゃんに声かけられる。「いやーあづがったね」とおっちゃんの声は東北弁でなまっていた。ちょいと異国に来た気分だ。

野宿の朝

MSRドラゴンフライで湯を沸かす。このストーブは灯油からガソリン、そしてナフサまであらゆる燃料が使えて、かつ南極でも使用可能だ。ジェット機のように豪快すぎる音がカッコいい!めしを食う前から武者震いだ。しかし使い方を誤まるとたちまち炎の海と化すのでかなりリスクも大きい。アウトドアのミーハー気分で使うと危険。チキンラーメンに乾燥わかめを入れて朝食。

山形市内を走行中、巨大な洋風建築があったので入ってみた。旧山形県庁の文翔館である。

ここは、日本か!欧米か!

贅を尽くした室内で、豊かな県だったに違いない。イギリス・ルネサンス様式を基調としたレンガ造りの建物でありつつも、どこか当時の大正風な室内。今風に言えばメイドや執事が出てきそうな雰囲気か。

そういえば、オーストラリアの町にもこういうかつての英国植民地時代の建物が残っており、まさにそれを彷彿させる。

秋田へ向けて北上。この日は台風の接近前とあって熱風が吹き非常に暑く、庄内平野はフェーン現象で電光表示板は38度!だけど国道7号沿いの海辺あたりだと35度に下がった。それでも暑い。やたらのどが渇く。秋田では37度でこの夏いちばんの暑さだった。そうなりゃ東北の祭りだってめっさ燃えるさ!

秋田市内には夕方到着。山形市同様、高層マンションもあるので都会にみえる。この日は楽しみにしていた秋田の竿灯を見物。巨大な竿灯をバランスよく支える。よくあんなでかいの一人で操れるものだと思ったが、不安定なので当然時々失敗して落としたりする。そこがスリルがあって良い。太鼓の早連打がノーザンビートを燃えさせる。
走行248km

8月4日

昨日とは違って雨だ!台風だ!雨脚のころあいを見計らって朝10:07に秋田市内出発。昼すぎまでには青森に着かなくてはならない。今夜は早速跳人デビューなのだ。

秋田から青森まで200km一気走り。暴風雨で走りずらい。ちょいと命がけのそんな途中、合羽を着た若い西洋人ヒッチハイカーのカップル発見!

見てのとおり、あらしの中なので、当然誰も停まってはくれない。

彼らが気になったので引き返す。、西洋人が暴風雨の中のヒッチしてるなんて、考えてみれば普段の生活じゃありえないシーンだし、まるですてられたネコみたいなみじめさだったんで同じ過酷な旅をする者として、放っておけんのですわ。

百均で買ったフィリピン製のピーナツビスケットがあったのでそれをやることにした。二人はアメリカから来ていた。彼らも青森ねぶたに向かうという。もし自分がクルマだったら青森まで乗せることもできたがのう。

昨日はどこに泊まったのか、と聞いたら、ミチノエキに泊まったという。

道の駅でテントを張ったそうだが、彼らの口から「ミチノエキ」という言葉が出たあたり、ミチノエキはビンボー外人バックパッカーには欠くことのできない必須野宿ポイントなんだろう。

秋田県内では散々雨に苦しめられたが、天気が急に回復し、碇ヶ関では青空が覗いてきた!そしてついに青森到着!キャンプ場には14時15分ごろ到着した。

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ねぶたキャンプ場

ねぶた期間のみ開かれる臨時サマーキャンプ場は、たくさんのテントがぎっしり張ってあったのですぐにわかった。初めての世界だ。つい先日都内で会ったいつもの仲間たちと、この北のキャンプ場で再会だ。

参加するにはまず跳人(はねと)の装備を整える必要があるため、浴衣やたすき、御腰など十点ほど入った「ねぶたセット」を買わなくてはならない。

すぐそこのマエダストアに行く。ここでも「ねぶたセット」は売っていたが、いいデザインがなかった為、安いけど売れ残りとあってか、目ん玉だけのデザインのしかなかった。どうせなら「青森ねぶた祭り」とロゴの入ったのが欲しいので、青森市内に出向き、気に入ったデザインの浴衣を探す。

市内ではAugaとメインストリートの呉服店を訊ねてみたが、Augaに好みのデザインがあった。Augaは渋谷の109みたいな商業ビルなので、売り子の女の子も東京で歩いている女性と何ら変らないのだが、話すと青森訛りなのでその素朴さのギャップがとてもかわいらしい。

キャンプ場に戻るとテントを張る暇はないのですぐに仲間たちから跳人装備への指南をしていただき、ついに自分もラッセラーマンに変身。

午後5時ごろ、名物のバイクパレードにて出発。コンボイを組んでキャンプ場から埠頭の駐輪場へ向かう。バイクに乗りながら通りの人たちに向かってフォー!と叫んだりで、ラテンのノリで盛り上げるさー!

そして会場に到着。今日は人生初めてのねぶたの日なので、まあ慣らし運転で良いかなあ、と思ったが、午後7時、いざねぶたが始まると周りの跳人たちのパワーに圧倒。ぼくは調子に乗るとノリ山ノリ夫になるので、うれしさも相まって遠慮は無用!初っ端からラッセェルラァアー!!と腹の底から叫び、フルスロットル大爆発状態で踊り狂った。

以降の日も最後までラッセラーファイターとしてひたすら叫び続け、そして声が枯れても叫びつづけ、気が狂ったように踊りまくることになる。

午後9時、その日のねぶたが終わり、三々五々キャンプ場へ戻る。まだテントを張っていなかった私は跳人姿のままでテントを設営。コスプレとアウトドアのミックス!そしてみんなで星空宴会!それが毎晩続く。ねぶたバカンスである。

走行221km

8月5~7日  5~7日の走行 105km

ライダーやチャリダーが集結するねぶたサマーキャンプ場。激しい夜のねぶたと違い、昼になるとみんなのんびりしたものだ。荷物満載の若いチャリダーたちも全国各地からはるばるやってくるし、キャンプ場内では沖縄三味線やギターを弾いたりするものもいる。

まさに「青春」という言葉がよく似合う。

大学のサイクリング部員たちも、旅の途中の青森で跳人を満喫!

 

ねぶたキャンプ場の朝。ここで歯磨き皿洗い洗濯を行う。

跳人仲間の手前の女子はバケツまで使って洗濯。もはや生活の一部!?

8月8日 「五所川原 立佞武多」

青森のねぶたも終わった!燃え尽きた!が、今日は間髪いれずに五所川原の立佞武多(たちねぶた)を見る。

夕方前、ジェベル200のAさんと一緒に五所川原に到着。二人で再び青森ねぶたの跳人姿で乗り込む。祭りが始まった。

ビル7階分の高さの立佞武多は、市内の建物をはるかに凌ぐ高さなので本当に圧巻だ。二回り小ぶりだが話題のガンダムねぶたもあった。子供の頃大人気だったガンダムが買えずに泣いていたAさんは、大喜びの様子。

祭りもピークになり、交差点の広場に出ると、吉幾三がど真ん中で唄っていた。

列の最後尾では、地元のとっぽい十代の若者たちが、霊に取り付かれたかのようにみな狂喜乱舞!そのパワーたるや、さすがの自分も絶句するばかり。こんな姿はうちの地元の祭りではまずありえない。

関東の祭だと、普段日ごろの生活も便利だし、娯楽も多いので、なんというか、祭になっても醒めている。

東京から遠く離れた青森は、意外に沖縄と共通しているな思った。豪快なねぶたとエイサー、標準語とかなり異なる津軽弁とウチナーグチ、素朴な生活、きな昌吉と好し育三のカリスマ性など。

だけどねぶたでは長い冬を耐え忍んだ末の短い夏に、一年の圧縮されたパワー全て爆発させるので(とくに五所川原ではそれがもっと顕著だった。)そのぶんの破壊力は沖縄、いやラテン以上だ。

走行49km

   

左: 縦の迫力、立佞武多。ビルのような倉庫から出てくるのだ。

レーザーブレードがはみ出すほどのド迫力ぶりは、自分的にはドラクエ3や4のラスボスを思い出した(笑)

右: ガンダムねぶたは、後ろが変!

五所川原の女子中高生。祭の始まる前。

う~ん、見てのとおり。 だが、じつは意外に素朴だった。

下着どろぼうと、こまわり君。

アイデア的にもなかなか手が込んでいるなあ

8月9日 「後の祭り」

今日は雨だ。ニッポンのカーニバルも完全に終わった。仲間たちとも別れ、気がつけばスーパーの惣菜を買って橋の下で独りさびしく昼食。燃え尽きた心も見上げた雨空も「灰色」・・・。青森市内に戻り、あとは南下するのみ。走行169km

8月10日

十和田湖で朝を迎えたが、青森は今日も雨だった。アイテムもかび臭くてやんなっちゃう。

盛岡では、盛岡駅地下の冷麺の店「三千里」に入った。冷麺の歯ごたえはスバラシイが、ここで冷麺とビビンバのセットを頼み損ねたのが痛い。だって冷麺単品頼んじゃったけど、気がつけばセットと値段がそんなに変らんのだから!

食事後は盛岡を散策。歴史ある建造物が残っていて、明治時代に建造された建物が今でも利用されている銀行もある。石川啄木の新婚時代の家に行ったり、啄木&宮沢賢治の青春館に行った。

啄木と賢治、共通するのは著書や作品が売れず貧しい生活をして、若死にした。今日のように有名になったのは死後になってかららしい。岩手を旅して気付いたのは、岩手人は啄木やとくに賢治に対する愛し方が半端じゃないことがわかったね。

盛岡からは天気も回復。国道4号ではなくツーリングマップル東北版に載っている農道を通って南下。4号も農道も同じ片道一車線だから、車の少ない方を通ったほうが断然好いに決まってる。その日の夜は、宮城県の河川敷でテントを張って野宿。

走行381km

8月11日

宮城まで来ると真夏の暑さと青空が戻ってきた。7時になると暑さで目覚める。7時半になるとどんどん熱がこもり、テント内に入られなくなり、写真のようにマットも外に出した。ということは北東北の梅雨はいまだに明けてなかったのだ!

ただならぬ暑さの中、昼前に仙台到着。10年ぶりの仙台は、特に駅前では高層ビルがどんどん建築されて、なんだかミニ摩天楼。昔よりもっと都会らしくなって東京にいるのと変らない気分。みちのくの旅の終りを実感。

相馬からいわきへは、国道6号を内陸側に併走する県道34、35号で南下。素朴な6号バイパスといったところで、じつに快走。おすすめ。

いわきからは単調な夜の国道6号で南下。明日はなんとそのまま仕事へ向かうのだ。

柏の国道沿いの空き地でそのまま野宿したが、カが多いのでしゃーないからテントを張って寝た。

走行457km

8月12日

今日は仕事だ!遅刻しないようすばやく撤収、出発。柏から都心のビルへ向かう。駐輪場に荷物満載のバイクを預けると、管理のおじさんもツーリング好きなので喜んでいた。

東北ツーリングが終わってないのにそのまま出勤するのは長いツーリング人生でも初めてのことで、なんとも不思議な気分だ。

ひさしぶりの出社では、うすよごれた格好のまま、しかもワイハ帰りの松崎しげるのように黒い腕と顔を見せながらなので、バカンスまるだしな私はオフィスでも浮いていた(笑)。しかも野宿が続き寝不足なので仕事は眠くて眠くてとてもつらかった。電話応対も、ねぶたで毎日絶叫しすっかり声が枯れたため、まるでつごもりの取立てのようなハードボイルドな声になってしまうのでせつない。この苦労わかるかなあ

夜仕事を終えて、再びツーリングライダーに戻り自宅へ戻った。そして旅が終わったのだ!

走行104km

-GAME OVER –

 


8月2日~12日の総費用 約25000円

宿泊費 0円

有料道路代70円

二輪駐車料金 仙台100円 都心500円

ねぶた跳人セット 3980円

ガソリン代 6848円

食費その他 13502円


そして・ねぶたブートキャンプの効果は!

日に焼けてすっかり逞しくなり、2キロ痩せた!
しかし夏が終わるとリバウンドし、なまっちょろい体に戻りつつある。
それでもたのしくハゲしく脂肪を燃やすには、

やっぱりねぶたがビクトリー!

 

 

今回使用したM/C EN125について

SCN5485

燃費はかなり回したので33~34km/L。大人しく走れば40kmLはいくだろう。

燃費はいいが、ガソリンが142円!高っ!!

そしてタンクは14Lなのだが、リザーブからさらに70km走ってガス欠寸前で仙台のセルフスタンドで入れるとなんと15.4Lも入った!

(海外生産のバイクのタンクは規定値より多くはいる事が多い)

青森で入れてから、その時仙台で給油したのだが、この間533km!自動車並みの航続距離だ!!

ということはゆっくり一定速度で走れば700kmも夢ではない!?

 

さいごに・・・

ビリーのじいさん、いまいずこ。

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