しかし、企業自ら「黒歴史」をカミングアウトし再販売するとは、あきらかに「狙ってる」としか思えませぬ!
そこで、タイ在住経験のあるたびいちが、
日清サマーヌードルトムヤム味(左:黒歴史)と、
業務スーパーで格安で売ってある、神戸物産のタイ製のトムヤム味(右:本場タイ式)を食べ比べしました!
秋なのにサマーヌードルを味わう
サマーヌードルのほうは、黒く汚いデザインで
日清の黒歴史復活! -1995-
カップの側面にも、もっと黒く汚いデザインで
日清の黒歴史復活! -1995-
発売当時、売れなかったあの味。あの時は、レモングラス=レモン味だった 今、エスニックブームだからこそ食べて欲しい。旨いですよ!
とかかれてますが、
売れなかったと自虐しているのに、旨いといいきるこの押しの強さ、見習うべきなのでしょうか(笑)
ということで開封してみると
規定量の熱湯(黒歴史:310ml 本場タイ式320ml)を入れました
そして完成しました!
麺について
黒歴史:
普通のカップヌードルの麺と同じ歯ごたえ
本場タイ式:
チキンラーメンのような歯ごたえ。ただ、芯が残っていたような食感。やわらかいのが好きな人は、鍋で煮たほうがいいかもしれない。
レモングラスの香りは?
黒歴史:
ほんのり、確実にする
本場タイ式:
レモングラスペーストを入れると、もう、強いレモングラスの匂いそのまま。キョーレツ。もしかしたら普通のレモンかもしれない。酸味も激しく主張する。
そして、味は?
黒歴史:
トマトやカップヌードルのしょうゆ味も混ぜているのか、わりと工夫をしていることがわかる
本場タイ式:
真性タイの味なので、なんともいえない独特のタイの味がする。
辛さはどう?
黒歴史:
微妙な辛さ。日本人向けなのか、辛さは抑えてある
本場タイ式:
かなりキツイ辛さ。茶色いレモングラスペーストを入れると、もう滅茶苦茶辛い。
そしてビジュアルについて
黒歴史のほうはまあまあだが、
本場タイ式・トムヤムの場合だと、ウルトラマンのオープニングのようなギットリとしたビジュアルである
しかし、このウルトラマンビジュアルこそが、本場タイの南国仕込みの証であります!
総合評価
はっきりいって、どっちもおいしくなかったです!
どっちかがマシかといえば、黒歴史のほうがまだましでした
とくに本場タイ式は、タイパワー全開炸裂。日本人にも容赦のない激辛。そして味も汁もどぎつい。
タイに住んでた人とか、エスニック料理好きの人はいいが、たいていの日本人には、味覚が合わないとおもうのでおすすめしません。
良くも悪くもタイらしい、本場タイ式・トムヤムラーメンの詳細はこちらより
なぜサマーヌードルが黒歴史なのか。その時代背景を解く
それは、時代が違うからです。
いまでこそ、東アジアや、東南アジアからの観光客も多い時代。日本にはあちこちにタイ料理店がある。
いなばのタイカレーなんてしっかり日本の食卓にも浸透してます。タイだけでなく、インドなどのエスニック料理も浸透している
しかし、1995年当時は、いまとは全然違いました
日本の世間全般としては、今とは比べ物にならないぐらいの欧米信仰の時代で、そのかわり日本はとても金満状態で、その点、中国やタイなどの東南アジアはまだ貧しかった時代。
今でこそアジアからも観光で来れる力があるが、その当時は、中国や東南アジアから来る人といえば、だいたいが留学か、出かせぎ(もぐりも含む)目的。
日本に行けば稼げるからと、出かせぎに来るような時代でいまみたいに観光だけで来る様な人はほとんど皆無の時代だった。
そんなアジアに対して上から目線状態だった日本が、「なに、エスニックのレモン味?ウエー」と拒絶反応を示すのは無理もなかろう。
因みに1995年は、パチンコが大ブーム。なけなしの千円札がすぐに燃え尽きるほどのバブルの残り火。
エスニック味が流行りだというから再販されたものの、
もし日本がその後、徳川幕府のように鎖国政策をしていたら、きっとサマーヌードルは黒歴史のままで終わっていたでしょう。