読者の中には、ちょうど先週成人式に参加してきたという方もおられると思いますが、
今年の成人式は
着物業者の倒産という事件が印象深かったと思います。
しかし、振袖は何十万もかかったりするケースもあるので、なんでそんなに大金をかけるのだろう、と子供のころからかねがね思っていた。
というか、成人式は夏とかにやるのもありじゃなかろうか?と、ふと思った。
振袖でなくても浴衣で済むし。
まあ、そうすると呉服店などが稼ぎにならなくなるので、それはありえないだろうけど。
忘れもしない20年前の成人式
で、私の場合はというと、
ちょうど20年前の1998年1月15日に、成人式に行ってました。
なのできょうのこの日はあるいみ、自分にとっても2回目の成人式です
なお、いまでこそ成人式は1月初めの週末になってますが、当時はまだ1月15日が成人の日となっていました
同学年の人は多分記憶あると思いますが、その年1998年の1月は大雪が2回もあり、その日も前夜から大雪が降っていたからです
たとえば今年の冬は、地元では先日-5℃まで下がり、凍り付くほどキレッキレに寒かったけど、この時期だと雪の日はそんなにない。
だから大雪にかち合ったあの日のことが深く印象に残っている。
成人式の会場は、街中の小学校の体育館だった。
実家からだったら、自転車で行くのがちょうどいい距離だが、大雪だとどうにもならないので、雪の降りしきる中、傘さして歩いて行った。
灰色のスーツに、父親からゆずりうけた年代物のトレンチコートを着ていた。
まあこれとおなじカッコです
見た目、盛っている正装だけど、まったく華やかでないという、そんな恰好でした
街中まで来ると、いつもの景色とは一変。
いつもなら青空で澄み切った景色なのだが、この日は雪が降りしきる灰色の空に、路面にもたくさん雪がつもっており、チエーンを巻いた車がシャリシャリシャリと通り過ぎる。
まるで新潟の雪里のような、自分の地元とは思えぬぐらい別の町みたいな錯覚なのを、今でも覚えている。
会場に着くと
寒くてうす暗い体育館の中で、なつかしい中学時代の仲間との再会。とはいえ、あっさりしたものだった。
成人式が終わり、車で乗り付けてきた連中は、道路に出るのにヒーヒー言ってかなり苦労していたが、それを横目に、私は歩いて再び家に帰る。
田んぼの真ん中は、一面の雪景色。
思えば中学時代は、この田んぼの真ん中のあぜ道を使って登下校していたのだが、この日はまるで魔法のように見わたす限り真っ白。空は灰色なので、雪と空の区別がつきにくく、まるで魔界のような異次元の世界であった
雪の中のたびいち20才
なので、成人式で興奮した自分は、中学時代の帰りのあぜ道とシンクロして、意味もなく
「うおおおお」
とトレンチコートを着たまんま雪の中に転げまわったりして、
雪まみれになって、我が成人式に有終の美を飾ったのでした。
最後に、素朴なぎもん。
20年前の20歳は、成人式。
20年後の60歳は、還暦。
では、その中間の
40歳だと、何になるんだろう?
そう思うと、世間的には若者と老人は視線が注がれやすいけど、
あらためて中年は冷遇されているな、
と思った、1月15日でした。