「ライダーハウス」に向く人、向かない人 

国内ツーリング二輪車
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きょうは819の日。

ということで、ツーリングの聖地・北海道ではライダーハウスではさまざまなイベントがおこなわれているわけですが、そんなライダーハウス(ライハ)の話をします

まずは、ライダーハウスとは何か?

北海道を中心に多く運営されている、ツーリングライダーを主体とした単車や自転車・徒歩の旅行者向けの旅人宿。
基本的に宿泊代は安く、実質無料で泊まれるライハもあれば、一泊2500円以上するようなカジュアルでスマートなゲストハウスのようなライハもある

低廉で泊まれることから貧乏旅行者にとってありがたい反面、宿のマスターなどの性格などが運営面に出てくるため、その宿の空気に合わないと、苦痛とストレスになるというリスクもある。

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ライダーハウスは儲からない。そう思った理由

私はこれまでツーリングが大好きすぎて、ついに世界一周など世界中を回ったわけだが、

ある人から

「そんなにツーリングが好きなら、将来、北海道でライダーハウスを経営したらどうか?」

と、冗談半分本気半分に言われたことがある。

 

たしかに、好きな旅の経験が活かせる仕事なので、やりがいはあるだろう。だけど、調べてみるうちに、自分は人の好ききらいがあるし、とてもじゃないが割に合わないことがわかった。

期間が限られる

たとえば沖縄なら通年営業できるけど

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多くの北海道ライダーハウスは、夏のみの営業。となると、1年のうちの半年以下で収益をあげなくてはならない。

ニセコのように夏はライハ、冬はスキー客を見込めるのなら通年利益になるのだが。
そもそもニセコなどは地価が高いのでライハ経営は厳しい。

 

函館の来夢来人。休業中。バイクブーム当時の名残なのか、宿の名前がスナックのように漢字の当て字なことが多い

 

維持費に金がかかる

北海道は土地が安いとはいえ、冬場の暖房代や雪下ろしなど、意外に維持費がかかる。

値段を高くすると来ないし、安くすると採算が取れない

長年営業しているところだと、ドミトリーでも2500円取っているので、安定した収益を上げるとなるとこれが採算ラインかもしれない。

しかし2500円となると、その値段にふさわしい相当高いスペックが要求される。かなりきれいにして、ホスピタリティも良く、さらに営業努力もしないと、集客はできず収益は厳しい。
一昔まえのような「居酒屋の畳部屋の片隅でごろ寝感覚」なライダーハウスでは無理。

ライダーハウスは、古きよき時代の産物?

かつての大昔、1950年や60年代だと、国道沿いにトラック運転手が宿泊できる食堂・ドライブインが全国にあった。

それは当時は高速道路もなく、今では信じられないが国道ですら市街地を外れるとダートや砂利道がつづき、移動に何日も要するものだった。

その名残で、食堂と兼用で食事をすれば宿泊無料というライハが北海道に多数あった。

しかし2017年現在では、はたの食堂などは、食堂のおっちゃんの善意で長らく運営されていたが、そこも引退しているという話のこと。

ということで、
ある程度の宿泊費は取ってビジネスライクにしないと、ライハの主人は生活できないし、安さに甘えるヌシ(長期滞在者・沈没者)のような客が群がってくる。かといってホスピタリティ・人情味がないと、もちろん続かない。

ライダーハウスは当たりハズレが大きい

たとえばユースホステルなら、ルールが国際的に統一されているので、ある意味安心できるのだが、ルールが自由なところ(というか放任)だと、宿泊客の中には図に乗ってやりたいほうだいやってほかの宿泊者が不快になることもある。

または逆に、あれこれやたらルールがうるさいライハもあり、そうなるとストレスになる。


ライダーハウスに向く人・向かない人

1、ライハを運営・管理する主人によって、その宿の性格が大きく異なるので当たりハズレが大きすぎるので、精神力のある人じゃないと宿泊はきびしいかも。

2、夜になると酒盛りになるので、コミュ力がないとしんどいと思う

3、最近はそれほどでもないと思うけど、昔はヌシが大体のライハにのさばっていたので、そういうおっさんにかち合う可能性がある。

4、住居の広い北海道のライハでは、だいたい犬や猫を飼ってるところが多いので、そういうのが苦手な人(泣き声やアレルギーや臭いなど)は向かない。

ライハとキャンプ、どっちがいいか?(2018/08/19追記)

そんなライハと、キャンプ場。どちらもビンボー旅のメインな宿泊手段だけど、いったいどっちがいいのか?

ということですが、自分の経験からすると、両方の組み合わせがベターだと思います。

キャンプ場だったら広々としており、テントを張れば個室になるわけなので水入らずで過ごすことができる。

しかしライハだと雑魚寝になり、他者に配慮しなくてはならず、しかもすぐ近くに他人がいて体臭が臭かったり、物音やいびきがうるさかったりするので、神経質な人は一睡もできないかもしれない。

ただ、台風や大雨が降るときは、ライハは神かも。

テント泊は快適だけど、大雨の中のテントは悲惨ですよ。

もちろん、雨が防げる軒下でテントを張ったりとか、山岳用の高級テントを使えば雨もりなどは防げるけど、大雨になるとテントは雨漏りがして、顔に水滴が当たるし、そのまま寝てるとあっというまに水浸しになるので、おちおち寝させてもらえませんからね。

特に台風の時はテントがこわれると、テント買いなおしで逆に高くつくおそれがあります。

なので、普段は広々としたテント泊にして、台風などが来て天気が悪いときは、ライハに泊まって、宿に置いてある週刊誌やマンガを読みふけったり、充電させてもらったりと、思いっきりのんびりくつろぐのがいいと思います。

旅先で読むマンガというのも、普段読むのとちがって旅の印象として強く残りますからね。

まとめ

そんなライダーハウスですが、北海道ならではの旅の目的とひとつとして泊まってみるのもいかがでしょうか。

もちろん快適なライハに巡り合えればめっけもんですが、もしスタッフやほかの客から不快なことを受けたことがあっても、精神鍛錬の場と思えば、都会の生活では味わえない何かが得られますよ!

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