バンコクからパタヤまでの150㎞を、たったの105円で行ける方法!それがタイ国鉄の列車。このたび乗車してきたので実録を紹介。
たとえばバンコクからパタヤの場合、タクシーだと1000B、高速バスだとだいたい110B、そしてこの3等列車なら31B(105円)なので、いかにその値段がミラクルかがわかるかと思います
バンコク駅付近でテロ発生??
パタヤ出発するきのうまでは、明日バンコクを出ようか、それとも翌週までいるか迷っていた。
今の宿はあまり快適じゃないし寝るときかゆいけど、場所がとても便利で、バンコクは見どころもいっぱいあるので離れがたいが、キリがないしずっといると飽きるし心もよどんでしまうので、次のパタヤに進みたい。一度パタヤに行って、またバンコクに戻った時に用を足せばいい
そしてさらに・・
昨夜タニヤから帰宅し、部屋に戻った23時56分ごろ、突然ものすごい爆発音がした。花火大会の花火がすぐ近所で爆発したような音だった。
普段ではありえない異常な音だったし、駅に近いのでテロがあったのかと一瞬慌てたが、巨大な爆発音だというのに、外にいる人たちがわめき続けたり様子がちがったりとか、パトカーや消防が来たりなどしてる様子はなかった。
やはりここは日本ではない。
バンコクはテロが時たま起こるので、虫の知らせが悪いときは外に出ないほうがいい。バンコクを出たくなった。次の場所へ行きたい。
ということで、翌朝パタヤ行きを決意したのでした。
切符を買う
きのうは寝すぎるぐらい寝たので、今朝は5時半ぐらいに目覚める。駅近くの宿は、ベッドで寝てると、明け方になるととにかくかゆくて何度も目がさめるし。
6時45分のファランポーン駅構内。朝早いのに、多くの人が駅にいる。バンコクに早朝着の列車が多いからか。
朝早いこともあって、窓口はほとんど並んでいないのですぐに買えた。
購入の際に、バンコク~パタヤの列車は土日も運行しているか確認する。土曜も運行してれば明日出たかったが、やはり土日はパタヤまで31バーツ列車が運行していないとのことで、きょう逃したら月曜日まで列車はない。
パタヤ行きの列車は、283番で、Ban Phlutaluang(サッタヒップ方面)終着の列車。
06:55 Bangkok 10:34 Pattaya
列車に乗り込む
午前6時55分、定刻どうりに発車。3等列車なのでボックスシートなのだが、
それだけでなく、リクライニングの効いた2等スタイルのシートもあって、高速バスよりもスペースがある。
2等型シートは反対方向に向いていたので、通路側にあるシートのペダルを踏んで、シートを180度回転させる。
乗客は、長距離の客だけでなく、通勤通学の学生の姿も目にする。
まもなくスコールが降りだした。外を見ると、バイクの人々はレインウェアーではなく安っぽいビニール型のポンチョをかぶっている。
併走していた近くの列車を見ると、「Kawagoe」「Chichibu」という文字を見かける。 何のことかと思ったら西武の鉄道広告だった。
しかしなぜメジャーでない川越や秩父なのか?東京から近く安く行ける西武線をアピールしたいのか。いずれにせよ20年前はほとんど皆無だった訪日タイ人観光客も多くなった証左。
スコールはやや収まったのに、まだ10㎞ぐらいしか進んでないのに、クロンタン駅の手前でずっと止まったままだ。おかげでPC入力しやすいが、これが毎日の通勤通学だとやりきれないのではないか
とはいえやはり高速バスよりも列車のほうがよかった。バスよりもスペースがあるし、バスの中でPC打つとバス酔いしそうだし。地元の人ばかりなので落ち着く。
この列車は混雑もなく十分余裕があるが、反対行きのチャチューンサオからバンコク行きの列車は混雑していたから、それだときつい。
鋏をちょきちょき鳴らす音が遠くから聞こえる。車掌がやってきて、切符を拝見、鋏を入れる。
出発してから40~50分ぐらいたったかと思てったら、もう8時15分。1時間20分も過ぎている。不思議と時間が過ぎるのが速く感じる。やっとバンコクの街中をぬけだし、郊外に入っていく。
走行中も連結部分の扉がひらっきっぱなし。日本じゃ決してありえないが、これがタイの伝統と常識。
列車のトイレは、タイ式の和式スタイル。便器ごと水で洗い流せるため、日本のよりも清潔。
注意すべき点は、昭和の人なら常識だけど、タイの列車のトイレは垂れ流し方式のため、駅の停車中に用を足してはなりませぬ!
9:25 チャチューンサーオ到着。バンコクから60㎞なのに、2時間半かかっている。カンボジア行きの路線とパタヤ方面行の分岐駅。
チャチューンサオからは、列車は80キロぐらいで快調に走るようになる。これからパタヤだというのに雨の中ガックリな天気。ノンエアコンなのに、天気が悪いので28℃、27度とどんどん下がっていく。これでエアコンなんか効いてたら間違いなく風邪ひく肌寒さ。
タイの駅弁は日本でもおなじみ
日本の特急や新幹線だと、売り子による車内販売があるが、タイでもいかにも田舎風の行商のおばちゃんが列車に乗り込みやってきたので、駅弁を買う。
日本でもすっかり有名になったタイ料理のガパオライスの弁当。25B。ガパオライスは駅弁でも定番である。
ショウガ味の軟骨入り挽肉炒めに、玉子焼き。冷めてもうまい!
これぞローカル列車の醍醐味。
ところで、日本でガパオライスがブームになった当初は、「え、タイにそんな料理あったっけ?」て印象だった。
なぜならトムヤムクンや、パッタイ(タイ焼きそば)ならまだしも、ガパオなんてガイドブックにも載ってなかった料理なので、逆に初耳だった
でも実際はあのタイでの食卓や駅弁でも定番とのことで、これまでもタイの列車の中で名前を知らずに食べていたあのメニューだった。最近になって「ああ、あれがガパオだったのか」と。タイでは駅弁のみならず市場でもよく売られていたことに気づいた。
ともあれ「沖縄風のガパオ」ってどんな味なんだろう。南国同士の味の融合
パタヤが近づくと 大本命な駅とあってか車掌が「もうすぐパタヤ、パタヤ」などと叫んでいた。朝早い便で鈍行なのにかかわらず、パタヤへ行く利用者は少なくない。地元の人が大半とはいえ、壮年の白人旅行者や、パタヤらしくおかまの二人組が乗っていた。
なお、ある白人旅行者は、入り口に自転車を乗せていた。たしかに高速バスじゃできない。
パタヤ駅からパタヤビーチへ
11時14分、パタヤ駅到着。
10時34分到着予定だったので、40分の遅れ。タイ国鉄は当然のように遅れる。
パタヤ駅は街のはずれにあるので、駅周辺はまったく何もない。襟裳岬のように何もない春である。
これで晴れてれば、駅から歩いて適当なところからソンテウ(乗り合いトラック)を拾ったほうがぼられないけど、目的地まで何度か乗り継がないといけないので結局お金かかるし、あいにく雨もじゃんじゃん降ってるので、おとなしく駅でスタンバイしてあるソンテウに乗る。
「南国の青い海が待っている!」と期待してやってきたパタヤなのに、あんまりの陰湿な悪天候に、テンション超がた落ち。
昼ぐらいに出れば「やっぱ今日は天気が悪いから、きょうはやめにして明日出よう」と思うけど、早朝の列車だとまだ空が暗いので天気が読めないのだ。
なお、ソンテウの値段だが、以前エカマイからの高速バスターミナル(パタヤ・ヌア、パタヤ北通りと国道3号スクンビット通りの交わるあたりにある)からウォーキングストリート付近までだと、2005年までだと一律料金で20Bで行けた。
が、その後2011年ごろから30Bになり、2014年12月ではなんと50Bも取られた。12月のハイシーズンだったのもあるかもだけど、あまりにぼったくり。2.5倍はひどい。
満員になったところでソンテウは出発。雨の日のソンテウは、途中雨漏りしたりで、駅を発ってから25分ぐらいたった11時43分、パタヤビーチ沿いのマイクショッピングセンターで降りたところ、フィフティーと言われ、ぼったくり。
距離的には駅からまでなら30Bぐらいが妥当な線。だけどただでさえテンション下がってるのに、あんまりごねてお互いいやな思いしてもしょうがないので、強引に笑顔を作って「シーシップ、ダイマイ?(40でいい?)」と言ったら、40でOKしてくれた。
まとめ
150㎞あまりの汽車よりも、たかが4㎞ほどのソンテウのほうが高くついてしまった。
それでも、バンコクからたったの71バーツ(230円)でパタヤに来れたのだから、ミラクルであった。
これが高速バスだったら、30分間隔で出てエカマイからパタヤまで2時間強と便利だが、高速バスとターミナルからパタヤビーチ方面のソンテウ合わせてだいたい170バーツはかかる。さらにバンコク市内の交通はエカマイまでのBTSなど含めると200バーツぐらいになるし、乗り換えも面倒。
帰りのパタヤからバンコクもUPしたのでごらんください
朝早く起きるのをためらわない人は、
パタヤまでぜひ3等列車の旅をおためしあれ!